神奈川県教育委員会は 15 日、県ホームページ上に
を掲載しました。
報告は先月取りまとめられたもの。これによれば、2022 年4月現在の中学2年生等が対象となる 2024 年度入試から、以下のような入試制度となる可能性が考えられます。
- 「面接」がすべての学校で行われるわけではなくなる。
- これまで面接が担ってきた役割は、中学校による観点別評価の「主体的に学習に取り組む態度」が担うようになる。
いま以上に、公立中学校がつける「内申点」や「主体的に学習に取り組む態度」の評価が注目されることになるかもしれません。
目次
入試制度改革 2024
報告書は「令和6〔2024〕年度入学者選抜から、改善された入学者選抜が実施されるよう〔中略〕適切に対応する」とした上で、
〔現行制度の〕10 分程度の面接において「学びに向かう力」を測りとることは難しいと考えられることから、面接の位置付けについて見直すことが必要である。
と記載。
面接を特色検査として位置付け〔中略〕選抜に必要な学校・学科において、面接による検査を実施するよう改善することが考えられる。
これまで、面接による検査において評価していた意欲に関する評価は、中学校の観点別学習状況の評価のうちの一つである「主体的に学習に取り組む態度」により評価することも可能と考えられる。
としています。
公立中学校の内申点への不信感
中学校における観点別評価
内申点ポイント計算方法 観点別評価→評定値 新指導要領版
https://kanagaku.com/archives/39623
- 「主体的に学習に取り組む態度」評価、他の2観点踏まえて
https://kanagaku.com/archives/48338 - 2021 年度からの中学校の観点別評価、AAC 等は要即応事案
https://kanagaku.com/archives/48328 - 神奈川県教育委員会「これからの学習評価」 高浜中が公開
https://kanagaku.com/archives/42483
内申格差
神奈川県「公立中学校の学習評価に関する調査」終了に関して
https://kanagaku.com/archives/3738
『二月の勝者』に見る内申点への不信感
『二月の勝者』第33講「七月の先輩」感想(その1/3)
https://kanagaku.com/archives/24389
- 「お姉ちゃんの高校受験の時は」
- 「不登校になったら」
『二月の勝者』第33講「七月の先輩」感想(その2/3)
https://kanagaku.com/archives/24628
- 都立高校受験の内申点は素内申と換算内申
- 内申点を上げるための注意点
『二月の勝者』第33講「七月の先輩」感想(その3/3)
https://kanagaku.com/archives/24633
- なぜ「5」が取れないのか
- 「5」を取る授業態度とは?
- 桂先生の言うことは本当か
- 【参考】Twitter 「関心・意欲・態度」の評価
「主体的に学習に取り組む態度」への不信感
- 来年度より中学の通知表が変わります
https://ameblo.jp/selmo-sugebanba/entry-12634010302.html - 来年度からの「主体的に取り組む態度」とは
https://ameblo.jp/selmo-sugebanba/entry-12634438005.html
もともとは月曜のとまとめて1つにしようと思ってたけど、長くなりすぎたので分割した。話が重たい。
来年度からの「主体的に取り組む態度」とは
⇒ https://t.co/4KUm0dflzd #アメブロ @ameba_officialより— セルモ川崎菅馬場教室 (@selmo_sugebanba) October 28, 2020
観点別評価:BBA はあり得ない?
これ自分も疑問です。
主体的(粘り強さ/自己調整)な学習態度がAでも成果(知事技能思考)に繋がらないケースは発生し得るし、その児童生徒には支援すればいい。
なぜCCAやBBAがNGか。管理職がミスリードしているだけでは?と感じてるのですが、詳しい方いれば聞きたいです。#学校 #教師 #教員 #評価 https://t.co/OeKLgAy6lm pic.twitter.com/jxIQV9S0L0— としお👨🏫 元教師→大手企業サラリーマン (@career_edu_job) March 12, 2021
私も連絡会で言われた。
BBAは、あり得ないと思いますって。
よく分からないし、あるんじゃないのかなって思うけど、、 https://t.co/QxYEC9BlAm— yuki (@kooo61849143) March 12, 2021
中学校の現場の先生方は、一つ一つの評価場面(内容のまとまりごとの観点別評価)ではAマルやCマルを用いず、3段階で評価していらっしゃるのですかね……。
そして、
●内容のまとまりごとの観点別評価(3段階)
●学期ごとの観点別評価(つなぐ工夫)
●評定(5段階)と総括なさっている。 pic.twitter.com/fG0FjXw3A1
— カナガク (@KanagakuCom) July 17, 2021
「評価資料集Ⅳ」16 ページからは「一つ一つの評価場面から5段階で評価する」方法を読み取れそうです。
しかし、それなら先に引いた画像の
>〈各観点における
>3段階評価から5段階評価につなぐ考え方の例〉という文言の「3段階評価から5段階評価につなぐ」が不適切なようにも思われます。
— カナガク (@KanagakuCom) July 17, 2021
切り値(カッティングポイントと同じでしょうか)はほんとうに難しそうですね。
たとえば得点で評価する場合、段階が少なければ少ないほど、切り値をまたぐ1点が重大な意味を持つわけですものね。
「主体的に~」のような得点化しづらいものも、それはそれで大変そうです。https://t.co/7XpgzJ3fza
— カナガク (@KanagakuCom) July 17, 2021
Twitter に見る内申点への不信感
本田由紀教授(教育社会学)
この「中学でも不登校になったら内申どころか受けられる高校も限られる…」という部分を、今日取材に来られた記者の方も指摘されていた。中学で不登校になっても高校は一般の高校に通いたい子も多いはず。不登校なら通信制が受け皿、と暗黙に考えてはいけない。受験に中学の内申を要求する高校の問題。 https://t.co/q59QRGKFCz
— 本田由紀 (@hahaguma) November 13, 2018
北村紗衣(さえ)准教授(英文学)
教員によるいじめにあったため中学に行ってませんでしたが、北海道は内申点の割合が低く、旭川の高校に入って東大に進学することができました。内申点重視は不登校児の教育機会を奪うものだと思います。 https://t.co/nPrmgF43Ia
— saebou (@Cristoforou) November 14, 2018
MER @MathEdr(数学教育学?)
※ 2022 年春、教育政策の決定に関与することになったことを理由にアカウントが削除されました。
この時期なので、もう600回ぐらいツイートしてるこれを再度。
評価の観点「関心意欲態度」は、正確には「数学への」関心意欲態度であって、「あなたの授業への」関心意欲態度ではありません。
例えば発言は全くしなくても、数学への態度は素晴らしい生徒はいます。そこを評価できるチャンスです。
— MER (@MathEdr) 2017年12月14日
授業で自らは全く発言しない生徒が、ノートの右端にスペース用意して「これ何で成り立つ?」とか「こういう場合でもいいのかな?」とかかなり書き込んでいる。さてこの生徒は全く発言しないし進んで前にも出ませんが「数学への関心意欲態度」の評価はどうなりますかはい発言回数数えてるそこの教員の方
— MER (@MathEdr) 2017年3月16日
【学期末定期】評価の観点における「関心・意欲・態度」とは,数学科の場合,「(あなたの)授業」への関心・意欲・態度ではなく,「数学」への関心・意欲・態度を指します.積極的に挙手しないとか発言しないとか話聞いてるように見えないとかそんなんで評価していい項目ではございません,,,
— MER (@MathEdr) 2016年3月1日
にしてもこの学習評価WGの議論の整理、一番面白かったのは注にあるこの「大学一年生」の意見。
観点「関心・意欲・態度」の評価にはびこるおかしな手法を見事なまでに的確に指摘してる。よくわかってる大学一年生だ…https://t.co/qQ6IbTyiYP pic.twitter.com/M4ndz82jGl— MER (@MathEdr) 2018年12月10日
参考文献
神奈川県公立高等学校入学者選抜制度検討協議会,「入学者選抜制度の改善について(報告)」,https://www.pref.kanagawa.jp/documents/82165/houkoku.pdf,2022 年3月.
https://megalodon.jp/2022-0423-0259-58/https://www.pref.kanagawa.jp:443/documents/82165/houkoku.pdf