暫定倍率(進路希望調査結果)2025

東洋大学 基礎学力テスト解答速報 古文 問4~10 2024/12/01

東洋大学が 2024 年 12 月1日()に実施した、2025 年度 学校推薦型選抜 学校推薦入試基礎学力テスト型国語大問3古文問4〜 10の解答速報です。

作成はカナガク。専門性が高いわけではないため、誤りを含む場合があります。

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問四

A「ひま」:① 機会

全集 p.308「この機会に何ぞして一の宮(敦康親王)にお会い申そうとおぼしめされるけれど、」

B「つごもり」:⑤ 月末

全集 p.309「二月の末ごろに参内なさった。」

C「かなしさ」:① かわいさ

全集 p.310「どなたもこの宮の可愛さをよくご存じであったから、」

D「ゆゆしう」:② 恐ろしいほど

全集 pp.310-311「ほんとうにそら恐ろしいくらいに可愛いお方よと、」


問五

O「いといとうれしく思しめされて」:⑦ 帝

全集 pp.308-309「帝はほんとうにお喜びあそばして、」

※「『のたまはす』の敬意は高く、平安時代の作品の地の文では天皇をはじめとする皇族が主語になります。」(中野幸一 監修『わかる・読める・解ける Key & Point 古文単語 330 三訂版』p.156,いいずな書店)

※「奏す」は「〔「言う」の謙譲語〕(天皇・上皇に)申し上げる。奏上する。」「記述式の現代語訳では、『天皇に申し上げる』と訳しましょう」(『Key & Point』p.175)

P「つつましうのみ思しめすに」:③ 中宮

  • 全集 p.309「ただ遠慮しておられたところ、」
  • 全集 p.308 注一〇「ためらっていた定子〔中宮〕が、詮子の勧めによって参内を決意する。」

問六

Ⅰ「よもとこそ思ひきこえつるに」:④ まさかこのような配慮はないものと思い申しあげていたのに

  • 全集 p.309「まさかこのような心遣いはとてもと思い申していたのだが、」
  • 体系 p.205 注二十四「よもや中宮にこれほどの好意を寄せてくれようとは思いもかけなかったのに」

Ⅱ「今宮のえもいはずきららかにおはしますに」:① 一の宮が言いようもなく美しくていらっしゃるので

  • 全集 p.310「今宮(敦康親王)がいうにいわれず輝くばかりに美しくいらっしゃるので、」
  • 全集 p.310 注三「人目をひく、輝くような華麗さ。」〔「きららかに」の部分〕
  • 体系 p.205 注二十七「光り輝くほど美しくいらっしゃるにつけて」〔「きららかにおはしますに」の部分〕

『Key & Point』p.64 によれば、

「えも言はず」[連語]何とも言いようがない。(*すばらしい場合も、ひどい場合もある。)

Ⅲ「なほありがたうやむごとなく捨てがたきもの」:⑤ やはり比類なく尊くて放っておくことができないお方

  • 全集 p.310「何といっても、他にたぐいなく尊く捨て置きがたいお方」(全集はこれを「詮子の思いと解するのが自然」とする(p.310 注五)。)
  • 体系 p.205 注三十二「帝が敦康親王を尊く格別に捨て置き難いものに思い申し上げておられるのも」

問七:② 一の宮に会うことによって、その母である中宮に対して帝の思いがより一層強まるものと思っているから

X「おろかなるべきやうなし」の理由。

帥殿(伊周)の発言は、全集 p.309 では以下。

何で遠慮なさることがあろう。若宮にお会いあそばすなら、いちだんと中宮へのお心寄せが深くなられることであろう。決していい加減なお扱いはなさるまい

また、体系 p.204 注十五「帝が若宮にお会いなさるならば、一段と御愛情がまさりこそせよ、疎略がましい事のあろうはずはない」。


問八:③ 帥殿は、中宮とその子どもたちに対する道長の配慮は自分に置きかえたらありえないと感謝している。

Y「われらはしもえかくはあらじかし」の内容説明。

  • 全集 p.310「自分だったらとてもこんなふうにはできまいよ」
  • 体系 p.205 注二十五「自分らは到底このような態度はとり得ないだろう」

「こんなふう」「このような態度」は道長の心配りを指す。「彰子に対抗する存在である定子に好意を示す道長像は、『栄花』特有の把握であり、しばしば創作・虚構とされる。しかし〔後略〕」(全集 p.309 注)。


問九:④ 道長は自身の娘〔彰子〕が女御として入内しているにもかかわらず、対抗する存在である中宮と子どもたちに対して好意的な態度をとっている。

本文の内容と合致するものを選ぶ。


問十:④ 大鏡

藤原道長について書かれている歴史物語を選ぶ。


参考文献

  • 山中裕・秋山虔・池田尚隆・福長進 校註・訳,新編日本古典文学全集 31『栄花物語①〈全三冊〉』,1995 年8月 10 日 第1版第1刷発行,小学館.
  • 松村博司・山中裕 校注,日本古典文学大系 75『栄花物語 上』,昭和 39 年 11 月5日 第1刷発行,岩波書店.