暫定倍率(進路希望調査結果)2025

東洋大学 基礎学力テスト解答速報 古文 問3 2024/12/01

東洋大学が 2024 年 12 月1日()に実施した、2025 年度 学校推薦型選抜 学校推薦入試基礎学力テスト型国語大問3古文問3の解答速報です。

作成はカナガク。専門性が高いわけではないため、誤りを含む場合があります。

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問三

x:⑥ 格助詞

院/に/も/聞え/させ/たまへ/ば、

動作の対象「~に」

  • 全集 p.309「女院(詮子)にもそのことをお申しあげになると」

y:③ 断定の助動詞

わ/が/御心/の/いかなれ/ば/に/か

「わが」(わたしの。自分の)と「いかなれば」(どうして~か)とは連語。

  • 全集 p.309「ご自身のお気持としてはいかがであろうか」
  • 体系 p.204 注二十二「御自身の御心はどんななのだろうか」

全集 p.309-310 注十八、

温情あふれる道長と異なり、おそらく伊周は恨みの念が強かったのだろう、という語り手の推量。

断定「なり」の接続について

断定「なり」は体言・連体形以外に、副詞や助詞などにも接続する。

  • 「この小一条の女御は、いとかく御かたちのめでたくおはすればにや、」(『大鏡』九 右大臣師輔)
  • 「人柄・世覚えの劣りたまへればにや、」(『大鏡』十五 太政大臣為光 恒徳公)
  • 「つねに御心に思しならひたることなればにや。」(『大鏡』十七 内大臣道)

原因理由と、断定「なり」

原因理由を表す接続句( 「已然形+ば」 「~て」 )とともに現れる「なり」は断定である。

傍ら痛ければ、書かぬなり。 (藤袴、九二一⑧)

※原まどか,「推定伝聞「なり」と断定「なり」―終止形と已然形の場合―」,『国語研究』巻 77, p. 35-49,國學院大學国語研究会,発行日 2014-02(原, まどか, 2014, Two kinds of auxiliary verb "nari" : Presumption or hearsay and conclusion : The examples of end form and definite form: 國學院大學国語研究会, 35–49 p.).

「条件をうける『なり』」「条件を受ける『なり』の変種」

〇つよからぬは女の歌なればなるべし(古今・仮名序)
〇吹く風の色のちくさに見えつるは秋の木の葉の散ればなりけり(古今・秋下)

この文型は「已然形+ば」(原因理由)にしか存在しない。

形としては、分裂文の文型である。〔中略〕

〇女の歌なれば、つよからぬなるべし。
〇秋の木の葉の散れば、吹く風の色のちくさに見えつるなりけり。

〇世の人の言へばにやあらむ(和泉式部日記)
(「や」が条件をうけている点で、「こそ」「なむ」と共通する。〔中略〕)

〇さればにや。(大鏡)
大変に省略されているが、基本は同じ。

※上記引用は下記 PDF の 29 ~ 30 ページに。

古典語の係り結びと情報構造
近藤泰弘(青山学院大学)
[email protected]
シンポジウム「係り結びと格の通方言的・通時的研究」
2022年9月19日・20日オンライン会場
https://www2.ninjal.ac.jp/past-events/2009_2021/event/specialists/project-meeting/m-2020/files/20200919-4_kondo.pdf

  • https://web.archive.org/web/20241208165135/https://www2.ninjal.ac.jp/past-events/2009_2021/event/specialists/project-meeting/m-2020/files/20200919-4_kondo.pdf
  • https://megalodon.jp/2024-1209-0151-36/https://www2.ninjal.ac.jp:443/past-events/2009_2021/event/specialists/project-meeting/m-2020/files/20200919-4_kondo.pdf
  • https://archive.md/Keage

z:① 完了の助動詞

なら/せ/たまひ/に/けり。

完了「ぬ」の連用形。

  • 全集 p.310「なっていらっしゃるのだった。」