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公立高校の募集定員、公私協議で決まる
神奈川県公立高校の入学定員は「神奈川県公私立高等学校協議会」で決められています。
例えば 2024 年度入試では全日制公立高校の募集定員が 40,608 人と決められました。これは公立中学校卒業予定者数 67,003 人よりも少ない人数です。
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公立高校受検者数>公立高校募集定員 2023
2023 年度 神奈川県公立高校入試について振り返ってみても、40,930 人の募集定員に対し 47,667 人が受検、319 人が受検後取消し、合格者数 39,463 であり、7,885 人が不合格となりました(いずれも全日制の課程のみ)。
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私立高校はけっして「ぜいたく」ではない
神奈川県では、公立高校で学びたいと考える公立中学校の3年生の人数よりも当の公立高校の入学・募集定員の方が少ない状態がずっと続いており、
- 「私立高校はぜいたくだ」
- 「お金がないなら公立高校に行けばいい」
といった発言は的を射たものではありません。
共通選抜二次募集もあるにはあるが……
神奈川県の場合、全日制公立高校の受験機会が共通選抜のみ(いわば「一発勝負」)であることにも留意する必要があるでしょう。
公立高校間の人気・不人気の偏りにより、例年「二次募集」がかかりはしますが、募集を行う高校がかなり限られます。二次募集への志願を前提とした受験計画を立てる生徒は少ないと思われます。
神奈川県公立高校入試 2023 共通選抜二次募集最終倍率高校等に進学しないことは考えにくい
2022 年度の公立中学校・義務教育学校の卒業者のうち、高等学校等進学者の構成比は 99.1% です。
ほぼ全ての中学生が中学校卒業後に高校等へ進学しており、
「お金がないなら中卒で働けばいい」
といった主張が広く受け入れられないだろうことも明らかです。
※「令和4年度 公立中学校等卒業者の進路の状況」集計結果(概要と統計表)
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/t8d/edu_stat/jr_high_course/r04_result.html
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【参考】私立学校、神奈川県を訴えたことも
さて、神奈川の私学で言えば、……高校入試における公立と私学の定員比率をめぐる訴訟がありました。
県は人口増に対処するために、県立高校を 100 校増やす計画を 1970 年代に立てました。その際、生徒数が減少したときは、県が責任を持って県立高校の統廃合をすると確約していたのです。しかし、県教育委員会が一向に定員を変更する姿勢を見せなかったため、県私立中学高等学校協会が県を相手に提訴しました(その後、定員協議の場を設けるとの知事提案を受け、訴えは取り下げました)。
工藤誠一(現 聖光学院校長),『わが人生 17 ぬくもり伝えて 『脱・進学校』山手の丘の実践』98 ~ 99 ページ,2019 年9月 20 日初版.
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