『二月の勝者―絶対合格の教室―』第38講「七月の孤立」感想

『ビッグコミックスピリッツ』1月21日発売号に二月の勝者―絶対合格の教室―第38講「七月の孤立」が掲載されました。


「橘先生」回

今回は「橘先生」回です。主人公黒木と対立して悪役が板についている橘先生ですが、今回は王羅くんに対して人情味あふれる塾人の姿を見せています。

しかし、橘先生自身が言うように、桜花ゼミナールは「受験塾」です。近所の子どもたちを集めて補習をしているような塾ではありません。

小学生らしさがあふれ、子どもっぽい王羅くんがかわいい気もちはわきます。しかし彼のために「他の子に迷惑がかかってる」状況は「受験塾」としてほんとうに致命的でしょう。

※ 人情味といえば、黒木の前任者(1巻第1講で登場)もそんな雰囲気の方でした。

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王羅くんへの対応はどうするべきか

今回の最後で黒木は

私の独断で石田王羅さんの「今後の方針」を決めました。保護者様と面談をし、お伝えします。

と言い放ちます。いったいその「今後の方針」はどうなるのでしょうか。


退塾させる

もっともシンプルなのが「退塾させる」というものです。上位校受験者層がターゲットの個人塾ならまずこの選択肢を選ぶでしょう。

王羅くん自身に中学受験の意志がまったくありませんし、高い合格実績を稼げる生徒さんでもありません(稼げればよいというものでもありませんが)。地域社会の中心にお父様お母様がいらっしゃるわけでもなさそうです。


個別指導部門への誘導

桜花ゼミナール吉祥寺校は同じビルのなかに個別指導部門を持っています。

ご家庭にしてみれば高校受験回避を狙うという意味で、桜花にしてみれば売り上げを上げるという意味で、個別指導への「転塾」は妥当な方針でしょう。

本人にやる気も能力もない場合、個別指導や家庭教師でなければ中学受験は大変です。ただ、裏を返せば、大手の個別指導や家庭教師で受験勉強風のことをしてさえいれば、定員割れにあえぐ私立に塾推薦で合格させてあげることができる(可能性が高い)ものでもあります。


王羅くんを見捨てないためには……

退塾させるにしても、個別指導への誘導にしても、「やる気のない生徒を塾に来させない」という対応です。しかし、黒木の様子を見ると、どうも王羅くんを見捨てないつもりのようです。

まず、勇人くんと笑い合いながら廊下を歩く王羅くん。彼らを見る黒木の目が、冷たく描かれてはいません。

そして、黒木は夜の街で子どもたちを預かり、初歩的な勉強をみてやるボランティアのようなものに関わってもいます。弱い立場の子どもには親身になりそうです。

さらに、「今後の方針を……お伝えします」ということは、あくまで桜花ゼミナール吉祥寺校で面倒を見ていくつもりなのでしょう。

次号9号はお休みです。10号からの再開がまたれます。

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