『ビッグコミックスピリッツ』6月 17 日発売号に掲載された『二月の勝者―絶対合格の教室―』第 51 講「九月の発心(ほっしん)」の感想です。
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目次
栗田先生によるバックアップ
授業中に武田くんが泣き出してしまったため、佐倉は急遽担当授業を抜け出して彼と面談します。
佐倉は担当授業を抜け出すときに
栗田先生、
Rクラスの演習の
監督お願いします!
と言って、代わりの講師を呼びます。この、「代わりの講師を突然呼べる」というのは珍しい気がします。
学習塾は夕方から夜にかけてしか稼働できません。そのため、子どもが塾に通える時間帯、講師はふつうフル回転で授業に入ります。ところが、作中では栗田先生がすぐに佐倉のフォローに入れる状態でいました。つまり、授業に入っていませんでした。
武田くんと佐倉の面談には、社会科担当の男性講師も駆けつけているようです。ここまでマンパワーに余裕がある塾は珍しいでしょう。
答えを写してしまう生徒さん
武田くんはこれまでの宿題への取り組み方を後悔して、泣きながら佐倉に打ち明けます。
簡単なやつだけ
やって…
めんどくさそうな
やつは、
答え…
うつしてた…
作中の流れとしては「成績の悪い子があらためて悪いことに泣く」「笑えてくるほど最高です!」という前回の黒木のセリフの回収なのでしょう。黒木の真意は、こうして武田くんのような子が成長していくことが「最高」だ――ということなのだと思います。
解答丸写しは分かる
宿題のチェックをしていると、解答を丸写ししているかどうかは分かるものだと思います。
- 全問正解
- マルの数が本人の実力に比べて多すぎる
- 問題難度とマル・バツのつきかたとが一致していない
- 記述解答が解答・解説とまったく同じ
- 記述解答が解答・解説に掲載されているもののアレンジ
- 記述解答で用いられている語彙が不自然
- メモや途中式、当然描かれているべき図(線分図・面積図・ビーカー図など)がない
- 途中式の省略の仕方が解答・解説と同じ
- テキストへの書き込みがあって然るべきところに、ない
といった様子から、解答・解説の活用状況は推測できるでしょう。
佐倉が
そっか…
じゃあ
今まで…
と言って、答え丸写しに気づいていなかったようなのは、彼女が宿題チェックをしていなかったからなのでしょう。塾のシステムとして、あるいは受け持ちの生徒数が多過ぎて、宿題をチェックできないことがあります。しかし、できれば、ひとりひとりの毎回のがんばりには目を通し、コメントをつけてあげたいものです。