『魔女ののろいアメ』読書感想文

『魔女ののろいアメ』読書感想文です。

分量は、題名・学校名・氏名を除き、400字詰め原稿用紙で3枚程度(※)です。

※ 青少年読書感想文全国コンクールの規定は2枚まで。


『魔女ののろいアメ』

魔女ののろいアメ

魔女ののろいアメ

  • 作者:草野 あきこ/ひがし ちから
  • 出版社:PHP研究所
  • 発売日: 2018年10月15日

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『魔女ののろいアメ』を読んで

神奈川 花子

 『魔女ののろいアメ』は、とてもおもしろい本でした。お母さんにもすすめたら、

 「それは子どもむけの本だから、ママはいいよ」

 と言われてしまいました。もったいないと思います。大人のプライドがあるのでしょうか。わたしは子どもとして、すきなだけ楽しませてもらいました。

 サキちゃんは、とある日ようび、おねえちゃんのつかい走りをさせられました。まったく、頭にきてしまいます。そこに出てきたのが、あやしい魔女のおばさんです。おばさんはサキちゃんに、おねえちゃんに「ばつをあたえ」るアメをくれました。おねえちゃんへの悪口を十こふきこむと、そのアメでおねえちゃんを気絶させられるというのです。悪口はいくらでも言えそうだ……と、アメにのろいをかけはじめたサキちゃんですが、とちゅうから悪口がでてこなくなります。どうにか十の悪口を言いおえたときには、おねえちゃんがすきな気もちも、アメにまざってしまっていました。

 そうしているうちに、おねえちゃんがサキちゃんのところにやってきます。やっぱり、おねえちゃんに「ばつをあたえ」るのはいやだな、と思ったサキちゃんは、おねえちゃんにぜんぶ話してしまいました。おねえちゃんは

 「わたしの悪口を十こもいったんだ」

 といっておこります。それでもこういいました。

 「でもね、なんでだろう? 悪口はすごく頭にきても、サキのことはきらいにならないんだ」

 さいごにのろいアメは魔女のおばさんの口に入ります。おねえちゃんがすきな気もちがまざったアメは、のろいアメのくせに、あまい味までしました。

 サキちゃんの、おねえちゃんのことが大すきな気もちが、悪い魔女にかったのです。こんなにすてきなお話ってあるでしょうか。

 わたしたちはついつい、家ぞくや友だちの一回一回のふるまいやことばから、その人をすきだと言ったりきらいだと言ったりしてしまいます。でも、それは、その人といっしょの時間が長ければ長いほど、どうでもよくなるものです。ちょうど、サキちゃんがおねえちゃんにアメを食べさせられなかったように。そして、おねえちゃんがサキちゃんのことをきらいになれなかったように。たった一回のふるまいや、たったひとことのことばで、それまでのつみかさねはこわされないのです。

 大切なのは、いつもの生活です。いつもの生活がわたしたちを形づくります。そうしてつくられたわたしたちが、一回や二回のミスでだめになることはありません。ここでわたしたちをささえてくれるものを「徳」といいます。

 「徳」が高い子は、先生にしかられることもすくないです。「徳」がひくい子は、それをズルいといいますが、わたしたちは「いつものわたしたち」をはなれて「よい・悪い」を決めているわけではないのです。


参考

青少年読書感想文全国コンクール 2019 課題図書が発表
https://kanagaku.com/archives/26628