教職員人事異動

翠嵐六・一事件、翠実総務は翠翔祭限定公開を望んだのか?

翠嵐六・一事件

横浜翠嵐高校では 2023 年6月1日(木)、文化祭「翠翔祭」に係る来場者規制の変更を求め、4限 LHR の時間に体育館を使うこととして、生徒会長が臨時生徒総会を招集しました。

しかし、先生方は

  • 生徒会「役員」(執行局のうち生徒会本部)全員の合意がなかったこと(要検証)※注
  • 「翠翔祭実行委員会」委員の了承がなかったこと(規約に定めなし)
  • 「顧問」の了承がなかったこと(規約に定めなし)
  • LHR という時間は授業であり生徒総会に使えないこと(結局、球技大会の練習に充当)
  • 体育館という場所は翌日の球技大会の準備のため使えないこと

を理由として、4限に体育館に集まった生徒たちを解散させました。臨時生徒総会は結局開かれませんでした。

なお、生徒会長は3F限(13:05 ~ 13:50)の授業の時間、先生方から説明を求められていました。

詳細ほか


翠翔祭 2023 の来場者規制

規制案・実際に発表された規制(ほぼ同一)

「臨時生徒総会 第1号議案」で変更が提案された来場者規制案は以下の通りです。

  • 保護者:無制限(5000 人想定)
  • 中学生:中学生1人につき保護者1人で計 2000 人を上限
  • 卒業生:72 ~ 75 期に限り無制限(1000 人想定)
    • 来場者数は計 8000 人以下を想定。中学生およびその保護者はホームページ等での事前予約制で、先着順。在校生の保護者および卒業生は予約不要、当日受付にて名簿で確認。

そして、実際に6月2日(金)「令和5年度 翠翔祭のご案内」に記載された来場者規制は以下の通りです。

本校生徒のご家族の皆様(事前申し込み不要)
中学生1名とその保護者1名、いずれか1日のみ(各日先着 500 組、事前予約必要)
72~75 期卒業生、いずれか1日のみ(事前予約必要)

同時期他校の来場者規制

横浜翠嵐高校以外にも、6月に文化祭を開催する県立高校がいくつかあります。それら高校では、今年度から一般公開を再開しています。

大船高校「一般の方もご入場いただけます」

大船高校の文化祭「白帆祭」2023、6月 17 日に一般公開
https://kanagaku.com/archives/65497

湘南高校「来場制限なし」

湘南高校の文化祭 2023 来場制限なしで開催 6月 17 ~ 18 日
https://kanagaku.com/archives/65383

小田原高校「一般来場受入れ盛大に、生徒職員一丸となって」

小田原高校の文化祭「小田高祭」2023、17 ~ 18日 一般公開
https://kanagaku.com/archives/65710

横浜緑ケ丘高校「人数制限を行わずどなたでもご入場いただけるうえ、調理団体による縁日企画も復活」

横浜緑ケ丘高校、緑高祭 2023 を6月 24 ~ 25 日に一般公開
https://kanagaku.com/archives/65404

横浜平沼高校「一般客の来場も可能となります」

横浜平沼高校の文化祭「平沼祭」2023 クラス劇除き一般公開
https://kanagaku.com/archives/65491

希望ケ丘高校「完全一般公開で行わせていただきます」

https://www.pen-kanagawa.ed.jp/kibogaoka-h/zennichi/kinensai/documents/76kinensaioshirase.pdf

鎌倉高校「一般公開とし、再入場も可」

https://www.pen-kanagawa.ed.jp/kamakura-h/seikatsu/documents/r5kamakousai_4.pdf


翠翔祭実行委員会総務部は来場者規制を望んでいたのか?

「翠翔祭実行委員会」の委員となっている生徒のみなさんは、おそらく来場者規制をかけての翠翔祭開催を望んでいたわけではないと思われます。

翠実総務と先生方との「交渉」で決定か

慣例的に翠翔祭や体育祭のルールは翠翔祭実行委員会や体育祭実行委員会、体育祭各色幹部と先生方との「交渉」によって決定されます。翠翔祭 2023 の来場者規制も、

  • 翠翔祭実行委員会総務部と
  • 生徒支援グループの先生方と

の「交渉」で決まっていったのでしょう。

この「交渉」を経たことをもって、先生方は

翠翔祭の来場者規制は生徒の意見を聞いて決めたことだ

と言うことができます。

翠実が来場者規制を望むものなのか?

しかし、「交渉」の場で翠翔祭実行委員会は来場者規制を望んでいたのでしょうか?

翠翔祭実行委員会委員となるのは、翠翔祭に対して特別な思い入れを持っている生徒さんだと想像できます。そうした生徒さんが自らの意思で来場者規制を望むものなのでしょうか? 湘南を始めとする他校文化祭の一般公開をしり目に、横浜翠嵐の翠翔祭を限定公開としたかったのでしょうか?

体育祭 2022 での染髪問題

横浜翠嵐高校生徒のみなさんと先生方との間では 2022 年の体育祭で「染髪」を巡る意見の対立がありました。この際、色幹部の方々が先生方の「交渉」姿勢を批判しています。

2022 年7月 15 日「第1回 染髪会議」

2022 年も体育祭は9月実施。そこにおけるルールについて、色幹部は先生方と7月から交渉を始めます。

7月 15 日に行われた「第1回 染髪会議」で、先生方からブリーチ禁止が提案されました。先生方は 73 期生に非があったとして、それを理由に 75 期生の染髪を一切禁止にする方針だと色幹部に伝えます。

※注:以前から1・2年生の染髪は不可だったといいます。先生方が言及しているのは 73 期生が3年生だった 2020 年の体育祭です。

2022 年7月 19 日「第2回 染髪会議」

7月 19 日に行われた「第2回 染髪会議」では、色幹部が「体育科」の先生方に対策案を提案。「体育科」の先生方がその提案を了承。「体育科」の先生方が「生徒支援グループ」の先生方にさらに提案を持っていくということになりました。

2022 年9月2日「職員会議からの提案」

夏休み明け、9月2日に色幹部に対し先生方の方針が伝えられると、その内容(幹部名簿に載っている3年生のみ染髪可、ブリーチ禁止など)から色幹部の間に不満が高まります。

(ここに見られるような先生方による懐柔は生徒間に分断を生じさせかねません。この後の色幹部の対応は適切だったと言えるでしょう。)

2022 年9月3日「第3回 染髪会議」

9月3日の「染髪会議」で色幹部が「職員会議からの提案」に難色を示すと、先生方は、色幹部の対策案等をもってしても

どうせ破る人がいる

として、強硬姿勢を崩しません。

色幹部は

  • 73 期生との約束を根拠に禁止すると先生方は主張しているが、75 期生に厳しい制限を課すのはおかしい
  • 75 期生は具体的により厳重な対策を提案している
  • 74 期生は3年生での染髪が許可されていた

と、先生方の主張が認められないと考えましたが、

これ以上僕らの提案を聞いてくれそうも無い

として、一般生徒のみなさんに交渉経緯の報告を行いました。


来場者制限の意思の一端を翠実総務に帰すのは適切なのか?

来場者制限は翠実総務の意思なのか?

こうした体育祭 2022 の経緯を考えると、翠翔祭 2023 の一般公開可否に関し、翠実総務がその意見を反映させられたのかが心配されます。

横浜翠嵐(全日制)は9クラス3学年を擁する高校であり、来場者制限はかなりの人数に対して影響します。また、3年生はコロナ禍の影響を受けて高校生らしい高校生活から遠ざけられていた期間が長いです。この上彼ら/彼女らに制限を課すことに対しては批判も出ることでしょう。

来場者規制は多くの批判や不満などを受けかねないものであり、それを翠実総務が積極的に推進したとは考えづらいのではないでしょうか。

議事録等が残されるわけでもなく、「交渉」の経緯が明かされないことが、先生方に比べて立場が弱い翠実のみなさんに不利に働くとも思われます。

翠実総務は生徒の代表者ではない

また、翠翔祭実行委員会委員が選挙を経ていないことも、今回の「翠嵐六・一事件」に関して触れておくべきでしょう。

先生方が「生徒の意見を聞いた」とする場合、その「生徒」はできれば「生徒全員」であるべきです。しかし、それが現実的にできない以上、慣例的に、たとえば翠翔祭に関しては翠翔祭実行委員会総務部の意見を聞いて「生徒の意見を聞いた」としています。

しかし、翠実のみなさんと先生方とが「生徒の意見を聞いた」案を発表したときに、その「案」に対して選挙を経た生徒会本部から意見が出されたり、正当な手続きを経て生徒総会の開催を求められたりしたら、生徒会本部や生徒総会の意見を聞くべきだとも思われます。


補足

現在、生徒会長は翠翔祭実行委員会と協調を図っています。

生徒会本部の「執行局」と翠翔祭実行委員会の「生徒局」とは、互いに高め合うことでよりよい学校を作っていきます。

「翠嵐六・一事件」は横浜翠嵐の生徒のみなさんが持つ高い主体性を内外に示すものです。