合格可能性 80 %基準値 2023

学習塾の労働条件:コマ給、生徒欠席、割増賃金などに注意

神奈川労働局は 2018 年2月、

学習塾における講師等の労働条件の確保・改善のポイント

と題した文書をホームページ上に掲載。コマ給問題など、学習塾が抱える労働問題の解消を促しました。


学習塾における講師等の労働条件の確保・改善のポイント

※引用文中の強調、一部改行等はカナガクによります。

コマ給、授業以外の時給

授業時間に対する時間単価授業以外の労働時間に対する時間単価が異なる場合は、具体的に明示した業務に対応する時間単価をそれぞれ明示しましょう。

なお、学習塾の中には、授業の1コマ等の単位を基礎として労務管理を行っている場合〔コマ給の場合〕もありますが、その場合であっても、授業時間に対する時間単価を明示しましょう。

※授業に対しては時給いくら、授業準備や報告書作成に対しては時給いくらといったもの。

授業準備・報告書作成・質問対応・タイムカード

特に、次のような時間について、〔使用者が労働者の〕労働時間として取り扱っていない例がみられますが、労働時間として適正に把握、管理する必要がありますので留意してください。

  • 使用者の指示により実施する授業前の準備時間
  • 使用者の指示により実施する授業後の報告書等の作成時間
  • 生徒からの質問対応時間
  • テキスト作成時間、
  • 研修等を行う時間、
  • 休憩時間に、生徒からの質問に対応する時間
  • 休憩時間とされていても実際には使用者の指示により質問対応のために待機している時間、等

タイムカード

労働時間と判断した時間を適正に把握するため、始業・終業時刻の確認・記録に当たっては、原則として、

  1. 使用者が、自ら現認して
  2. タイムカード等の客観的な記録を基礎として

確認・記録を行いましょう。

※「使用者が、自ら現認」を実践すると、授業終了後、講師が帰らない限り使用者も帰れません。

授業延長・割増賃金・個別塾での生徒欠席

授業を延長した場合、その分の給料が発生

〔労働者が〕授業を延長した場合は、特段の定めがない限り、延長した時間については〔使用者が〕授業に対する時間単価で支払う必要があります。

※使用者がその指示によらない授業延長を厳禁している理由のひとつです。

残業・休日出勤

  • 法定労働時間(1週 40 時間又は1日8時間)を超えて労働させた時間
  • 又は法定休日〔※〕に労働させた時間

に対しては、〔使用者は〕それぞれ〔中略〕割増賃金(時間外2割5分増以上、休日3割5分増以上)を支払う必要があります。

※法定休日とは「毎週1日の休日か、4週間を通じて4日以上の休日」のことを指します。

深夜の割増賃金

〔使用者が労働者を〕午後 10 時から午前5時までに労働させた場合、当該時間に行った業務に対応した時間単価で計算した深夜の割増賃金(2割5分増以上)を支払う必要があります。

  • ※講師に 22 時までに帰るよう指示している使用者が多いと思われます。深夜の割増賃金での給与支払い発生を避けるためです。
  • ※生徒のみなさんが講師への質問を途中で打ち切られることもあるかと思いますが、その大きな理由のひとつです。
  • ※例えば、法定労働時間外の労働かつ深夜労働であった場合は、支給される賃金は 50 %以上増えます。

個別指導塾での生徒欠席

個別に授業を行う学習塾において、生徒の都合で授業が取りやめとなり、代替の業務に就かせていないなどにより当該日の賃金が平均賃金の6割に満たない場合は、〔使用者は労働者に〕その差額を支払う必要があります

休業手当(労働基準法第26条)

使用者の責任で労働者を休業させた場合には、労働者の最低限の生活の保障を図るため、使用者は平均賃金の6割以上の休業手当を支払わなければなりません。したがって、「働いていないから給料を支払わないのは仕方ない」ということはなく、休みが会社の都合である以上、一定程度の給料を保障する必要があります。

※生徒のみなさんに欠席時には事前に連絡をするようお願いしている理由です。

休憩時間

〔使用者は労働者に対し〕授業及び授業以外の労働時間の合計が6時間を超える場合は 45 分以上の休憩時間を、授業及び授業以外の労働時間の合計が8時間を超える場合は60 分以上の休憩時間を労働時間の途中に取得させることが必要です。

  • ※講師の勤務時間が 14 時から 22 時だったりする理由です(8時間を超えないようにしています)。
  • ※〔労働者が使用者から〕休憩中でも電話や来客の対応をするように指示されていれば、それは休憩時間ではなく労働時間とみなされます。

有給休暇

非正規労働者にも年次有給休暇を付与しましょう

学生アルバイト等であっても、雇入れの日から起算して6か月間継続勤務し全労働日の8割以上出勤した場合は、週の所定労働日数に応じた年次有給休暇を付与する必要があります。


参考文献