学芸大附属入学辞退問題 不公平感が残る可能性

東京学芸大学附属高等学校(学芸大附属)では、2019 年度入試から、入学手続きが神奈川県立高校(や東京都立高校)の合格発表よりも早い時期に設定されています。このため、

  • 第一志望が神奈川県立高校(や東京都立高校)
  • 第二志望が学芸大学附属高校

という受験生が困る事態となっています。

学芸大附属側は、自校が第二志望となることを想定しておらず、2021 年度入試では募集要項に他校の合格等の理由による入学辞退はしないでくださいと明記しました。入学手続き時には入学確約書を提出させており、原則として入学辞退を認めていません。

しかし、

  • 入学辞退への牽制が年を追うごとに強まっていること
  • 「繰り上げ合格」の制度を設けていること
  • 学習塾の学芸大附属合格実績が「繰り上げ合格」発表後に伸びること

を考えると、2020 年度入試においても実際には、入学確約書を提出して入学手続きを行ったにもかかわらず入学を辞退した受験生がいたことが憶測されます。

第二志望を確保しつつ第一志望の合格発表を待ち、第一志望に合格した時点で第二志望に入学辞退の連絡を行うという、合理的な併願作戦です。

問題は、入学を確約したにもかかわらず辞退した受験生にあるのではなく、不公平感が残る可能性を残す制度設計にあります。

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関連記事

2019 年度入試

2020 年度入試

2021 年度入試

※「入学確約書」の提出は 2020 年度入試から。

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【参考】神奈川県公立高校入試での入学辞退

神奈川県公立高校入試では、制度上、入学辞退が想定されています。入学辞退における各関係者の動きは以下の通りです。

受験生

中学校に「入学辞退届」(第 21 号様式)を提出し、中学校長の確認欄に記入押印を受ける。

高校

「入学辞退届」の高校への到着により、その受理とする。

共通選抜二次募集実施校で3月1日(月)以降に入学辞退者が出た場合には、確定した二次募集募集人員を超えて、二次募集のなかで募集定員まで合格とする。また、3月3日(水)から3月8日(月)まで、校内に入学辞退者数を掲示する。

教育委員会

共通選抜二次募集実施校の入学辞退者数について記者発表を行う。


参考文献

東京学芸大学附属高等学校 生徒募集要項

学習塾の学芸大附属合格実績〔再掲〕

神奈川県公立高校入試における入学辞退

神奈川県教育委員会 教育局指導部高校教育課,「令和3年度神奈川県公立高等学校の入学者の募集及び選抜実施要領等に係る取扱いについて」27, 34 ページ,2020 年 11 月.