『ビッグコミックスピリッツ』5月6日発売号に『二月の勝者―絶対合格の教室―』第 47 講「八月の内幕」が掲載されました。
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目次
打ち上げ
塾の合宿後は、他校舎の講師と親睦を深める絶好の機会です。自校舎だけでは見えていなかったものが見えてきたりして、とても勉強になります。
桜花ゼミナールでは合宿所で最終日の夜に「打ち上げ(お茶)」をしていますが、神奈川(東京)に戻って全員が解散した後、有志で「打ち上げ()」をするのも(講師にとっての)合宿の楽しみのひとつです。
帰着当日のアフターフォローは「留守番」の講師・職員に任せます。
教室ごとの合格実績の違いは「運」?
教室によって合格実績が違うのって、指導力に差があるからってことでしょうか?
という佐倉の問いに対して、桜花ゼミナールの先輩講師たちは口を揃えて答えます。
指導力に差があるっていうよりもむしろ…「運」!
指導力があることは前提
「運」発言の裏には、まず、教室に指導力があるという前提があります。
- 各講師が教科知識を十分に持ち、またそれを最新の入試分析を通じて常にアップデートしていること
- 各講師に小学生の集団をまとめる力があること
- 最新の入試動向を知り、併願計画を適切にご提案できること
- 個々の生徒さんにかけられるリソースを十分に持っていること
- 必要な時に講習会等をご提案できること
- 生徒さんやご家庭のメンタル面でのサポートを、自信をもってできること
- 生徒間・ご家庭間のトラブルへの対処ができること
- 講師間の連携がうまくいっていること
こうしたことが大前提としてあっての「運」発言だと思われます。
立地
指導力がある前提に立つと、次に問題になるのは立地でしょう。
配属教室を選べないとすれば、講師はどの教室に配属されるかによって指導実績を(少なくとも部分的には)左右されることになり、「運」を意識せざるを得なくなります。
立地の条件としては
- 地域の中学受験率
- 地域の中学受験人口
- 地域の教育熱心さ
- 私立小学校が近くにあるかどうか
- 通いやすい範囲に難関中学校があるかどうか
- 競合する塾の立地
といったところでしょうか。
生徒さん・ご家庭
どういった生徒さんが集まり、どういったご家庭と一緒に受験をしていくのか――というところも重要です。
学年の雰囲気というのは本当に毎年違っていて、黙々と勉強していくタイプの子が多い年もあれば、熱血指導を楽しむ子が多い年もあります。
年によって影響力が大きい保護者の方がいらっしゃるのかどうか、いらっしゃったとしたらその方がどういった発信をなさるのかも違いますし、その年に合格実績を叩き出せそうな子の性格や志願動向もまちまちです。
作品中では……
作品中、成城学園校の木根育江講師はこう言います。
そう「運」。
「たまたますごく地頭〔じあたま〕のいい子がうちの門を叩いた」というだけ。
ある程度の難関校にはそりゃ根性でなんとか押し込むことはできても、トップオブトップ「御三家」クラスは普通の子には到底届かない
〔中略〕
個人の能力に天井があるのは否定できないのよ
小田原の公立高校受験塾「慧真館」の岸本崇先生のこのツイートも、同様のことを考えていらっしゃるのではないでしょうか。
「努力すればできる」「やればできる」なんてウソ。それが本当だったらみんな東大に行けてしまう。やってもできないことはある。
親や大人がそれを認めてあげないと子どもは潰れてしまう。なのに親や大人は率先して「やればできる」と言う。「やってもできない」ことがあると知っているくせに。
— りんごくん@慧真館 (@keishinkan) 2016年7月7日
慧真館
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