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『二月の勝者―絶対合格の教室―』第31講「七月の号泣」感想

『ビッグコミックスピリッツ』10月22日発売号に二月の勝者―絶対合格の教室―第31講「七月の号泣」が掲載されました。

前回のサブタイトルが「八月の崩壊」でしたが……。


上杉くんと島津くん

島津くんに暴言を吐かれた上杉くんですが、島津くんが好きなことと、子どもが使う抜け道とを知っており、島津くん発見にもっとも貢献しました。

男の子の場合、確かに、それなりにひどい言い合いをしつつも、何だかんだで仲が良いという姿を目にすることがあります。

少し出来過ぎな気がしますが、良いエピソードでした。


島津くんとお母様

今回、感動的だったのが、島津くん(順くん)とそのお母様とのやり取りです。

塾をエスケープし、行方が分からなくなった順くんが見つかり、母親は

よかった…!
よかった
無事で…!

と、順くんを抱きしめます。「ごめんなさい!」と言う順くんに対して

謝るのはママのほう。
だから…
嫌なら…
やめていいよ?
中学受験。
やめていいよ?
ね…?

と問いかけます。

子どもが本当に辛そうにしているのを見て、こういう言葉をかけたことがあるお母様方は、実際に多いことでしょう。

順くんは答えます。

嫌だ!
嫌だ
やめない!
やめたら
ママがパパに
いじめられる!!!
(中略)
もうママが
泣いてるの
いやだよおお!!


家庭環境と中学受験

中学受験の成否は、その家庭環境に大きく依存するように思われます。

親が近視眼的にならないことは特に大切で、子どもが

「ただ元気でいてくれるだけで」

幸せである――ということを見失ってしまうと、たとえ偏差値の高い学校に合格したとしても、家族にとって禍根が残る経験になってしまったりします。

ある受験当日の朝のこと

いつだったか、攻玉社の校門激励に行った帰りの電車で、これから受験会場に向かうだろう母子を見かけたことがありました。

お母様は電車のなかでお子さん(男の子でした)に算数の問題プリントを解かせています。お子さんはその問題を見て少しして、小さな声で

「解けないよぅっっ!!」

と言うのです。するとお母様は、いきなり問題プリントを取り上げて、そのプリントでお子さんの頭をはたくではありませんか。

「こんな問題も解けないんじゃ受かるはずないじゃないのっ!」

父親が母親に子どもを任せて中学受験をさせて、母親が重圧を感じて子どもにあたってしまう――というケースだったのだと思います。

子どもに対する対処療法的なケアをすると同時に、お母様に対しても適切なサポートを行うことが求められていたはずです。

ほんとうに大切なもの

両親が不仲である場合、中学受験は本当に家庭にとっての危機になりかねません。

子どもの成績を上げることは確かに大切です。しかし、子どもを愛すること、夫が妻を、妻が夫を愛することのほうが大切であることは言うまでもありません。


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参考

おおたとしまさオフィシャルブログ「Father’s Eyes」,「熱心な中学受験パパが陥りがちな罠」, https://ameblo.jp/toshimasaota/entry-12403201273.html ,2018年9月7日(同10月23日閲覧).