いとうひろし『ルラルさんのだいくしごと』の読書感想文です。
分量は、題名・学校名・氏名を除き、400字詰め原稿用紙で2枚ぴったりです。
ルラルさんのだいくしごと
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『ルラルさんのだいくしごと』を読んで
神奈川 太郎
ぼくは『ルラルさんのだいくしごと』を読んで、はじめ、ぜんぜんいみがわかりませんでした。いったいこのお話は、なにが言いたいのだろう? だいたい「かわら」って何?
そこで、ぼくは、このお話をお父さんにも読んでもらうことにしました。
「ねえねえ、お父さん、このお話、いったい何が言いたいの?」
お父さんに言わせれば、このお話は「はしごをはずされる」お話だそうです。
「はしごをはずされる」というのは、大人のことばで、「友だちのうらぎりで、たいへんなことになる」ことのたとえだそうです。
ルラルさんは、雨もりをなおしにやねにのぼります。しごとはぶじにおわりました。ところが、やねからおりようとしたときに、はしごがたおれてしまっていることに気づきます。ルラルさんはにわのみんなにこえをかけて、たすけてもらおうとしました。みんなはすぐにやってきたのですが、はしごをかけてくれません。かわりに、そのはしごをオモチャにして、あそびにでかけてしまいました。
お父さんは言います。
「これは、自分のどうぐが友だちにオモチャにされることへのかなしみ、あきらめをかいているんだよ」
かわいそうなルラルさん。やねのうえでボーっとするしかありません。そして、そんな自分をうけ入れるしかありません。
お話のさいご、ようやくみんなが帰ってきて、ルラルさんをおろしてあげました。おりてきたルラルさんに、みんなは、オモチャ(はしご)であそぶのがどれほど楽しかったかをつたえました。ルラルさんは「それは、よかったね」とわらいます。
でも、「みんな」のうちのだれが気づくでしょうか。そのルラルさんのえがおのさびしさに。
友だちの大切などうぐをオモチャにしてあそぶのは、ぜったいにいけません。