2016年度「第33回 夏のすいせん図書読書感想文コンクール」の課題図書、『ジュディ・モード、有名になる!』の読書感想文例です。
分量は、タイトル、学年・氏名を含め、400字詰め原稿用紙で3枚ぴったりです。
ジュディ・モード、有名になる!
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『ジュディ・モード、有名になる!』を読んで
神奈川 花子
かくしていればいいのに、わざわざ目立つようにして、せっかくのものを台無しにしてしまう人、あなたの周りにはいませんか。
私のとなりの席の男の子は、何かおもしろいことを思いつくと、いつも私に話しかけてきます。ただ、その話しかけてくる言葉が問題です。
「なあなあ、花子! おれ、すっごく面白い話知ってるんだ!」
こう話しかけられると、私はいつも、「また始まった」と思ってうんざりしてしまいます。「面白い話」と聞くと、ついつい期待してしまうものですが、話されてみて、期待していたよりもおもしろかったことなど一度もありません。それが何回も続くと、
「あら、そう。私今いそがしいから。じゃあね!」
と言いたくなってきます。
ジュディ・モードは、クラスメートのジェシカが「単語つづりバチ大会」で優勝して有名になったことをねたんでいました。ジェシカは、新聞の一面トップに写真付きでのったのです。
ジュディは、自分も有名になりたいと思い、いろいろなことにチャレンジします。単語のつづりを覚えてみたり、ワシントンのサクランボの種を作ってみたり、ペット・コンテストに出場してみたりします。しかし、どれもうまくいきません。
何とか有名になってやろうと、ギネスブックの「人間ムカデ」にちょう戦していたときのことです。ジュディはまちがえて、友だちのスティンクの小指をふんづけてしまいました。ポキッとほねが折れています。もう有名になることなど気にしていられません。ジュディは病院に行って、スティンクの手当てをしてもらいました。
スティンクが手当てをしてもらっている間、ゆうぎ室で待っていたジュディの目にとまったものがあります。ボロボロになった人形たちです。あまりにボロボロでかわいそうなので、ジュディはこっそり人形たちを持って帰って、「手当て」してあげることにしました。勝手に持って出たので、このことはだれにも言えないひみつです。
全部の人形をおしゃれに直して、名前を明かさずに送り返すと、思いもかけないことが起こりました。ジュディのことが、「まぼろしの人形ドクター 郡の病院にあらわる」として、新聞にのったのです。ジュディはついに、名前こそ出なかったものの、めでたく有名になれました。
大切なのは、すばらしいことをしたと知ってもらうことではありません。だれにも知られなかったとしても、すばらしいことをすること自体が大切なのです。ジュディは私に、この、あたりまえだけれどもついつい忘れてしまうことを思い出させてくれました。