2016年度「第62回 青少年読書感想文全国コンクール」の課題図書、『ひみつのきもちぎんこう』の読書感想文例です。
分量は、題名・学校名・氏名を除き、400字詰め原稿用紙で2枚ぴったりです。
ひみつのきもちぎんこう
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『ひみつのきもちぎんこう』を読んで
神奈川 太郎
きもちぎんこうのつうちょうには、黒コインとぎんいろコインがたまっていきます。黒コインは「うそきもち」のコイン、ぎんいろコインは「ほんまきもち」のコインです。
黒コインは、ぼくたちが「いじわる」をしたときや、「じぶんかって」をしたときにたまります。「ふしんせつ」をしたときにもたまります。ぎんいろコインは、ぼくたちが「チャレンジ」をしたときや、「どりょく」をしたときにたまります。
つうちょうが「うそきもち」の黒コインでいっぱいになると、いい心がきえてしまうそうです。
ぼくはふしぎにおもいました。「ほんまきもち」がぜんぶいい心、「うそきもち」がぜんぶわるい心なのはおかしくないでしょうか。
たとえば、ゆうたくんは、りくくんにからかわれたときに、りくくんをなぐろうとしました。このとき、ゆうたくんの「ほんまきもち」は「しかえし」だったと思います。りくくんをなぐれば、ぎんいろコインがたまる気がします。しかし、そうはならないようです。
なぜでしょうか。
それはたぶん、ぼくたちがもともと、いい心でいっぱいだったからです。ぼくたちの心は、赤ちゃんのとき、「ほんまきもち」のいい心だけでできていました。それが、だんだんきもちにうそをつくことをおぼえてきて、じぶんでも「ほんまきもち」と「うそきもち」とがわからなくなってしまったのです。
もちろん、しょうこはありません。ぼくたちがみんな、赤ちゃんのときにいい心でいっぱいだったかどうかはわかりません。でも、きっとそうだとしんじるきもちが大切です。
ぼくたちがみんな、わるい心でいっぱいで生まれてきたとは思いたくありません。それよりは、じぶんたちをしんじましょう。
チヤリーン!
ほら、「しんじる」とかいてあるぎんいろコインが、つうちょうにたまる音がします。