2016年度「第62回 青少年読書感想文全国コンクール」の課題図書、『コロッケ先生の情熱!古紙リサイクル授業』の読書感想文例です。
分量は、題名・学校名・氏名を除き、400字詰め原稿用紙で3枚ぴったりです。
コロッケ先生の情熱!古紙リサイクル授業
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『コロッケ先生の情熱!古紙リサイクル授業』を読んで
神奈川 太郎
この本は、古紙のリサイクルをする会社の社長さんとして、コロッケ先生が成長していくお話です。
コロッケ先生のお父さんは、「岡山の古紙回収業では一番の規模」の会社の社長さんでした。コロッケ先生は、高校二年生のときに、そのお父さんの会社をつぐことに決めます。
「岡山で知られていても、大したことはない。おれはもっと大きな仕事をしたいんじゃ」
そう話していたコロッケ先生です。自分が会社をつぐと決めたときには、気合いがあふれ出てきたことでしょう。
コロッケ先生はお父さんのすすめで、高校を卒業すると、東京の大学に進学しました。……大学では商売について勉強をしました。四年間の大学生活が終わると、さらに大阪の会社で仕事の経験をつみました。その大阪でおくさんと結婚し、長男も生まれました。「そして、家族みんなで岡山にもどり、明和製紙原料に入社しました。」
このときのコロッケ先生は、きっと自信満々だったことでしょう。東京の大学で勉強して、大阪の会社で経験を積んだのです。すばらしい家族も一緒です。
三十五歳で社長になったコロッケ先生は、大学で学んでいたように、まず会社の方針を打ち出すことにしました。その方針は「古紙の業界で日本一を目指す」というものでした。お父さんを超えたいという思いがあったのではないでしょうか。
ところが、コロッケ先生はここでかべにぶつかります。
「そんなやり方は、先代のときにはしよらんですよ」
といって、多くの社員がコロッケ先生のいうことを聞いてくれなかったのです。会社のふんいきは暗い状態がつづきました。
きっと、みんな、コロッケ先生が自分たちのことを大切に思ってくれていないことを見抜いていたのだと思います。そのときのコロッケ先生にとっては、古紙も社員も、ただ「日本一」になり「もっと大きな仕事」をするための道具でしかありませんでした。
コロッケ先生は、取引先の社長さんにさそわれた勉強会や、古紙リサイクル授業の中で、自分のまちがいに気付いていきます。「紙はゴミじゃない!」子どもたちといっしょにさけびながら、大切なことを思い出していきます。ものも、人も、そまつにしてはいけないのです。
コロッケ先生は、社員たちととことん話しあって、会社の新しい方針を決めました。その方針では、「一人ひとりの成長と幸せに力を尽くし」ていくことにしました。
コロッケ先生は今では、とてもすばらしい社長さんになりました。コロッケ先生ほど社員を大切にする社長さんには、なかなかお会いできないと言います。
しょうらいぼくが働く会社の社長さんも、コロッケ先生のような人だといいなあ。