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神奈川大学給費生試験 2024 解答速報 古文 問9・11・16

神奈川大学給費生試験 2024 国語の大問1「古文」の解答速報(問9・11・16 のみ)です。

問題文の出典は世阿弥風姿花伝第三 問答條々で、「問。能に、得手得手とて、ことの外に」から「心中に案を廻らすべし。」まで。岩波文庫版で 48 ページから 53 ページにあたる部分です。


問九

設問

空欄A・Bに入る語句の組み合わせとして最適なものを次の中から選び、その番号を解答番号 13 にマークしなさい。

正答 ③

  • A 上がる(岩波文庫 50 ページ1行目では「上る」)
  • B 上がらぬ

問十一

設問

傍線部⑧「下手のよき所を取りて、上手の物数に入るる事」とあるが、「物数に入るる」とはどのようなことをいうのか。最適なものを次の中から選び、その番号を解答番号 15 にマークしなさい。

正答 ②

② 自らの技芸に加えること

※岩波文庫 50 ページ脚注では「○物數に入るる 藝の一つに加える。」


問十六

設問

『風姿花伝』は能楽について論じた秘伝書であるが、それに対して和歌について論じた歌論書を次の中から一つ選び、その番号を解答番号 20 にマークしなさい。

正答 ③

③『俊頼髄脳〔とりよりずいのう〕』が平安時代(源氏物語以後)に成立した歌論書。

簡素な解説

③『俊頼髄脳』が有名な歌論書なので、①『海道記』を知らなくても解けると思われます。他に有名な歌論書としては、鎌倉時代に成立した鴨長明の『無名抄』、藤原定家の『毎月抄』など。

①『海道記』は鎌倉時代の紀行文。阿仏尼『十六夜日記』と同様に、京から鎌倉へ下向した旅を記したもの。4つの選択肢のなかでは最も知名度が低いはずです。

②『閑吟集』は室町時代に成立した歌謡集。歌謡集としては他に後白河法皇の『梁塵秘抄』(平安時代)など。

④『御伽草子』は室町時代に作られ始めた読みやすい短編の物語。日本史でも習うものです。

源俊頼について

八代集(「今後私語禁止せし」の語呂合わせで暗記できます)のひとつ、『金葉和歌集』(撰進下命者は白河院)の撰者。

藤原俊成(藤原定家の父親で『千載和歌集』の撰者)は俊頼に私淑していました。また、俊頼の子である俊恵は鴨長明の師でした。

※『シグマベスト 原色シグマ新国語便覧 増補三訂版』(2015)78 ~ 79 ページを参照しています。


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