神奈川県公立高校全日制の 2023 年度入試における入学定員目標は 40,750 人です。
2023 年3月の公立中学校卒業予定者は 67,994 人。
公立中学校卒業予定者に対する公立全日制入学定員目標の割合は 59.9% です。
公私比率
公立6割(~ 2012 年)
平成22年度から3年間、公立中学校卒業予定者の6割を全日制公立高校の入学定員とするという基本比率により行っていました
https://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/attachment/787580.pdf#page=3
公私協議(2013 年~)
平成 25 年度入学者選抜から、率による割振り方式によらず、公私各々が自らの責任において実現を目指す定員目標を設定する方式とした。
https://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/attachment/686153.pdf#page=9
歴史的経緯
公立側
公立高校への入学者増を吸収する現実的な手法として、定時制と通信制は入試が2回になった〔共通選抜と定通分割選抜との2回〕。矛盾を定通に押しつけているにすぎない。全日制普通科進学率を回復し、さらに上昇させるためには、公私 6:4 の固定募集枠を撤廃する必要があるのは誰が見ても明らかなことだ。早急にその議論をしてもらいたいと思う
金沢信之,「高校入試制度の変遷 明治から現代までを概観する」『ねざす』48 号, http://www.edu-kana.com/kenkyu/nezasu/no48/tokusyuu1-11.htm ,2011 年 11 月.
私立側
さて、神奈川の私学で言えば、……高校入試における公立と私学の定員比率をめぐる訴訟がありました。
県は人口増に対処するために、県立高校を 100 校増やす計画を 1970 年代に立てました。その際、生徒数が減少したときは、県が責任を持って県立高校の統廃合をすると確約していたのです。しかし、県教育委員会が一向に定員を変更する姿勢を見せなかったため、県私立中学高等学校協会が県を相手に提訴しました(その後、定員協議の場を設けるとの知事提案を受け、訴えは取り下げました)。
工藤誠一(現 聖光学院校長),『わが人生 17 ぬくもり伝えて 『脱・進学校』山手の丘の実践』98 ~ 99 ページ,2019 年9月 20 日初版.
参考文献
- 公私立高校入学定員 2023「目標設定の考え方及び計画」案
https://kanagaku.com/archives/60221 - 定通分割選抜での公立志望者吸収 押しつけられる「矛盾」
https://kanagaku.com/archives/36405