12 月 22 日に行われた 2020 年度 神奈川大学 給費生試験の古文の問題文「たまきはる」は、2013 年度 法政大学 T日程で出題された問題文とほぼ同内容でした。
まさかまさか私が大好きな『たまきはる』の女郎花の和歌の部分が神大の給費試験で出題された!!!!! 今年は後期の最初の授業でとりあげました。熱く語った咲き誇る女郎花と儚い命の対比もちゃんと出題されてた!! 「あいなし」も解説してる!! できててくれ〜!!!! https://t.co/8A6waSFKOF
— 神楽坂いづみ@いろいろ垢 (@karuta_izumi) December 23, 2019
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目次
神奈川大学-給費生 2020
設問・リード文
次の文章は、高倉天皇の生母建春門院(平滋子)にお仕えした女房が、その宮仕え体験を記した『たまきはる』の一節である。これを読んで、あとの問いに答えなさい。
問題文
「その夏ごろ、久しく籠りゐたりし」から「忘られぬその面影に恋ひわびてわが黒髪を形見とや見む」の和歌、和歌に続けて「心に余る事をも、おのづから」から「二十二とかやぞ聞き( B )。」まで。
注(抜粋)
- 折節なき事…都合の悪いこと。病気療養のため蒜(ひる)を服したことをいう。臭気が強いため人と逢うことをはばかる。
- 御修法(みしほ)…病気平癒のための加持祈禱。
問(抜粋)
問八 傍線部⑧「早くにておはしませば、申すはかりなし」の解釈として最適なものを次の中から選び、その番号をマークしなさい。
法政大学-T日程 2013
設問・リード文
つぎの文章は、建春門院(平滋子、後白河天皇女御)に仕えた女性が著した日記文学の一節である。作者が病気で家にこもっている間に、建春門院が発病し崩御したことが書かれている。これを読んで、後の問いに答えよ。
問題文
「その夏ごろ、久しく籠り居たりし」から「忘られぬその面影に恋ひわびてわが黒髪を形見とや見む」の和歌、和歌に続けて「その後は、この養ひ立てし姉のもとに」から「見慣らはぬ心地のみして、明かし暮らす。」まで。
注(抜粋)
- 折節なき事 蒜(ひる)(にんにくの類)を服し、養生することを指す。家族の勧めにより、作者はこれを行うことにしたが、その間はにおいのため、出仕することはできない。
- 御修法 建春門院の病気回復のために行われた加持祈禱。
- はやくにておはしませば 「危篤でいらっしゃるので」という意味。
- これは御手のままな 「この髪は建春門院がお削ぎになったままですね」の意味。作者の髪は、いつも建春門院が削いで整えていた。
昨日、久々に平成25年度法政大学入試で出題された『たまきはる』を扱いました。もう本文は何度読んでも惚れ惚れするし、法政が作った問題も最高。「あいなし」のマイナーな意味あったり、「はかなし」の文脈判断だったり、断定の「に」に見せかけた格助詞「に」であったり、全てが最高。
— 神楽坂いづみ@いろいろ垢 (@karuta_izumi) October 3, 2019
「露きゆる憂き世にあきの女郎花ことしも知らぬ色ぞ悲しき」という和歌は、古典文学を代表する名歌だと思っている。建春門院を亡くした筆者の悲しみを尻目に美しく咲き誇る女郎花のコントラスト…素晴らしい。絶対Coccoの「Raining」の歌詞と絡めて語ってしまう。
— 神楽坂いづみ@いろいろ垢 (@karuta_izumi) October 3, 2019