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『スタンリーとちいさな火星人』読書感想文

スタンリーとちいさな火星人読書感想文です。

分量は、題名・学校名・氏名を除き、400字詰め原稿用紙で3枚ちょうどです。

※ 青少年読書感想文全国コンクールの規定は2枚まで。


『スタンリーとちいさな火星人』

スタンリーとちいさな火星人

スタンリーとちいさな火星人

  • 作者:サイモン・ジェームズ/千葉 茂樹
  • 出版社:あすなろ書房
  • 発売日: 2018年08月20日

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『スタンリーとちいさな火星人』を読んで

神奈川 太郎

 ぼくのことをいちばんよくわかってくれるのは、ほけん室のレイ先生です。いつもいそがしくて話をできないお母さんやお父さんのかわりに、たくさんぼくとおしゃべりしてくれます。

 ぼくがないてもいいのは、レイ先生といっしょのときだけです。お母さんは会社に行きながら、小さい妹のせわをしています。お父さんは朝いちばんに家を出て、みんながねたあとに帰ってきます。そんなお母さんやお父さんの前でぼくがないてしまったら、きっと二人ともたいへんです。だから、お母さんやお父さんといっしょのときには、おりこうさんでいます。でも、なきたいときって、だれにでもあるでしょう? ぼくにもあります。そういうとき、ぼくはほけん室に行きます。レイ先生にたくさん話を聞いてもらって、たくさんなきます。

 ところがこのあいだ、たいへんなことがおこりました。レイ先生のお母さんがなくなったのです。レイ先生はしばらくのあいだ、ほけん室からいなくなってしまいました。

 レイ先生がいないあいだ、ぼくは神さまのところにおねがいに行くことにしました。

 「どうか先生のお母さんを天国でしあわせにしてください」

 神さまのところに行けるのはたましいだけです。体はおいていきました。

 たましいが出かけているあいだ、ぼくの体は学校を休み、家のなかでギャーギャーとないて、お母さんを会社に行かせなかったそうです。妹とおなじぐらい大きな声でないていたといいます。ぼくの体のせいで、お母さんの目からはなみだがながれました。

 大切な人がいなくなると、ふつうはかんがえられないようなことができたり、おこったりするものです。

 ぼくが神さまのところに行ったように、スタンリーは火星にいきました。お母さんがとまりがけででかけてしまったからです。スタンリーとスタンリーのお母さんとがいないあいだ、スタンリーのかわりに火星人がやってきました。火星人はワガママをしてばかり。まるでぼくの体のようです。

 スタンリーは火星から帰ってくると、先に帰ってきていたお母さんに言いつけました。

 「かせいじんはてをあらわないし、やさいをたべないし……」

 スタンリーのお母さんは「あいたかった!」と言ってスタンリーをだきしめました。

 どうしてぼくの体や、スタンリーのかわりにやってきた火星人はワガママなのでしょう。もっと、ぼくのように、おりこうさんでいなければいけません。だれにあまえられるのか、きちんと考えなければいけません。だれにもあまえられないときにはガマンしなければいけません。

 ぼくはぼくの体をきびしくしかりました。スタンリーも、もういちど火星に行って、火星人をしかってきたほうがいいと思います。


参考

青少年読書感想文全国コンクール 2019 課題図書が発表
https://kanagaku.com/archives/26628