『スタンリーとちいさな火星人』の読書感想文です。
分量は、題名・学校名・氏名を除き、400字詰め原稿用紙で3枚ちょうどです。
※ 青少年読書感想文全国コンクールの規定は2枚まで。
目次
『スタンリーとちいさな火星人』
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『スタンリーとちいさな火星人』を読んで
神奈川 太郎
ぼくのことをいちばんよくわかってくれるのは、ほけん室のレイ先生です。いつもいそがしくて話をできないお母さんやお父さんのかわりに、たくさんぼくとおしゃべりしてくれます。
ぼくがないてもいいのは、レイ先生といっしょのときだけです。お母さんは会社に行きながら、小さい妹のせわをしています。お父さんは朝いちばんに家を出て、みんながねたあとに帰ってきます。そんなお母さんやお父さんの前でぼくがないてしまったら、きっと二人ともたいへんです。だから、お母さんやお父さんといっしょのときには、おりこうさんでいます。でも、なきたいときって、だれにでもあるでしょう? ぼくにもあります。そういうとき、ぼくはほけん室に行きます。レイ先生にたくさん話を聞いてもらって、たくさんなきます。
ところがこのあいだ、たいへんなことがおこりました。レイ先生のお母さんがなくなったのです。レイ先生はしばらくのあいだ、ほけん室からいなくなってしまいました。
レイ先生がいないあいだ、ぼくは神さまのところにおねがいに行くことにしました。
「どうか先生のお母さんを天国でしあわせにしてください」
神さまのところに行けるのはたましいだけです。体はおいていきました。
たましいが出かけているあいだ、ぼくの体は学校を休み、家のなかでギャーギャーとないて、お母さんを会社に行かせなかったそうです。妹とおなじぐらい大きな声でないていたといいます。ぼくの体のせいで、お母さんの目からはなみだがながれました。
大切な人がいなくなると、ふつうはかんがえられないようなことができたり、おこったりするものです。
ぼくが神さまのところに行ったように、スタンリーは火星にいきました。お母さんがとまりがけででかけてしまったからです。スタンリーとスタンリーのお母さんとがいないあいだ、スタンリーのかわりに火星人がやってきました。火星人はワガママをしてばかり。まるでぼくの体のようです。
スタンリーは火星から帰ってくると、先に帰ってきていたお母さんに言いつけました。
「かせいじんはてをあらわないし、やさいをたべないし……」
スタンリーのお母さんは「あいたかった!」と言ってスタンリーをだきしめました。
どうしてぼくの体や、スタンリーのかわりにやってきた火星人はワガママなのでしょう。もっと、ぼくのように、おりこうさんでいなければいけません。だれにあまえられるのか、きちんと考えなければいけません。だれにもあまえられないときにはガマンしなければいけません。
ぼくはぼくの体をきびしくしかりました。スタンリーも、もういちど火星に行って、火星人をしかってきたほうがいいと思います。
参考
青少年読書感想文全国コンクール 2019 課題図書が発表
https://kanagaku.com/archives/26628