吉野万理子の近刊『南西の風やや強く』に登場する「横浜恒陽高校」のモデルは横浜翠嵐高校のようです。
目次
『南西の風やや強く』あらすじ
狩野伊吹(かのう・いぶき)は、エリートの父親から「首都圏でもっとも難関だと言われる中高の一つ」聖慶学園中学校に進学することを期待されていた。しかし、自らの意志で公立中学校へと進む。父親を襲ったがんに悩み、また、幼馴染の東谷由貴(ひがしたに・ゆき)との距離を縮めつつ、伊吹は高校3年生になっていく。
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最寄駅からの推測
作中に登場する横浜恒陽高校は
最寄り駅が三つあって、横浜駅までも徒歩圏内
です(120 ページ)。
横浜駅までも徒歩圏内の高校となると横浜翠嵐と横浜平沼でしょう。
横浜平沼の最寄り駅は横浜駅と平沼橋駅とになると思われますので、この記述だけでも、横浜恒陽高校のモデルは横浜翠嵐だと考えられます。三つの最寄り駅は、横浜駅、三ツ沢下町駅、反町駅です。
神奈川総合は「横浜駅までも徒歩圏内」と言うには遠い気がします。
その他の根拠
伊吹の学力
77 ページには主人公の伊吹の学習状況についての記述があります。
神奈川ナンバーワンの公立高校を目指すにはちょっと危うい成績だが、そこ以外だったら、このペースで勉強していればたぶん大丈夫なはずだ
彼の進学先はかなり偏差値が高いだろうことが分かります。
鎌倉高校ではなく
伊吹は中学校の先生から鎌倉高校の受験をすすめられましたが、
小学校も中学校も高校も電車すら乗らなくていいような距離というのは、あまりにも守りに入りすぎていないか?
バイトをしたかった。
金のことは心配するなと言われたけれど
という理由で横浜恒陽高校に進学しました。横浜恒陽が、鎌倉高校と天秤にかけられうる高校だとわかります。
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横浜翠嵐との違い
もっとも、横浜恒陽と横浜翠嵐とのあいだには違いもあります。
(駿台?)予備校へのルート
毎週木曜日の放課後、伊吹と由貴とは2人で青木橋交差点を渡り鶴屋町方面へと向かいます(118-119 ページ)。(駿台?)予備校へと通うためです。
しかし、もし横浜恒陽が横浜翠嵐と同じ位置にあるならば、学校から予備校に移動するために青木橋交差点を渡ることはありません。
文化祭の時期
横浜恒陽の文化祭は5月の半ばです(175 ページ)。横浜翠嵐は6月なので、ここも恒陽と翠嵐との違いになります。
屋上からの眺め
物語の重要なシーンで、恒陽の屋上からの眺めはこう描かれています。
みなとみらいのビル群が遠くに見えた。もっとも手前のタワーマンションが、景観の大部分を遮ってしまっているけれど
横浜翠嵐の屋上に上れば、タワーマンションに景観を遮られることなくあたりを見渡すことができるはずです。
横浜恒陽は幸ケ谷(こうがや)のあたりにでもあるのでしょうか。
参考
七里ガ浜高校と鎌倉高校が『南西の風やや強く』に登場
https://kanagaku.com/archives/26134