5月31日(土)、毎日新聞社から『サンデー毎日増刊 2014高校の実力 大学入試全記録 2014年 6/14号』が発売されました。このなかでは全国4780高校の487大学合格者数を確認することができます。
今回はそこから、川崎市立川崎高校の東大合格1名に注目してみたいと思います。
目次
中高一貫校化は平成26年度から
川崎市立川崎高校は2014(平成26)年度から中高一貫生を募集しています。神奈川県内で4校目となる公立中高一貫校であり、他の3校と違って学区を市内に限定したにもかかわらず、多くの受験生を集めました。
附属中学校の適性検査実施状況は以下の通りです。
- 募集定員:120名
- 志願者数:879名
- 受検者数:853名
- 実質倍率:7.11倍
偏差値は日能研のR4(合格可能性80%)で男女とも44、首都圏模試の結果偏差値で男子55、女子56です。
偏差値はやや低めに思われるかもしれませんが、首都圏模試の資料にもある通り「2/3の公立中高一貫校の合否分布はかなり広いものと予想され」、実質倍率も高かったことから実際にはかなりの激戦になったものと思われます。
高校受験における市立川崎の位置
しかし高校受験について考えてみると、市立川崎高校はそこまで厳しい選抜となるような学校ではありません。晶文社の『首都圏高校受験案内 2015年度用』における合格可能性80%の数字は偏差値で44(W合格もぎ)、調査書で92/135です。
調査書点92点というのは5段階評価の通知表で4が4つ、3が5つぐらいの値です。平成26年度卒業生の大学進学率は36%で、合格実績のなかに占める割合が最も大きい大学は関東学院大学でした(※)。
このように、これまで学力レベルとしてはそこまで高くはなかった市立川崎から東大合格者が出たことは、公立中高一貫校化へ向けての最高のはなむけとなりました。
合格者の横顔
市立川崎から東大文二に合格を果たした彼は、駿台に通っていた既卒生です。駿台の「SUCCESS VOICE 2014」(リンク切れの場合はこちら)にメッセージが寄せられていますので、引用してみましょう。
駿台 SUCCESS VOICE 2014
東京大 文二 高卒クラス
川崎(市立)高等学校東京大学文科二類合格
駿台の授業はレベルが高くて、最初は不安ばかりでしたが、しっかり予習・復習を重ねれば、力がつきます。仲間(ライバル)のレベルもとても高く、模試であの人に勝ちたい!といった高め合える人が必ずいます。
また、『サンデー毎日』2014年4月13日号の「東大合格者644人実名アンケート 後編 文科Ⅰ~Ⅲ類』のアンケートにも解答が寄せられています。
『サンデー毎日』東大合格者実名アンケート
- 通った予備校:駿台
- 秋からの1日の平均勉強時間:7~9時間
- 東大合格の秘訣と、東大を目指す人へのアドバイス:勉強しない日を作らない。効率良く、解くのは速く
市立川崎は今後、中高一貫校移行に伴い、2017年に普通科は1クラス募集となる予定です。中学入学の子たちが増えてくるにつれて、高校受験での受験層も徐々に変わってくるかもしれません。
Note
※ 市進学院『高校受験ガイド 2015年入試用 神奈川・近県』(市進出版,2014),96.