『月はぼくらの宇宙港』読書感想文例


佐伯和人『月はぼくらの宇宙港』読書感想文例です。

分量は、題名・学校名・氏名を除き、400字詰め原稿用紙で5枚に少し満たない程度です。

月はぼくらの宇宙港

月はぼくらの宇宙港

月はぼくらの宇宙港

  • 作者:佐伯 和人
  • 出版社:新日本出版社
  • 発売日: 2016-10-23

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『月はぼくらの宇宙港』を読んで

神奈川 太郎

 『月はぼくらの宇宙港』を読んで、私は、世界の平和と安定を願わずにはいられなかった。平和と安定は、持続的な発展をもたらす。その発展だけが、私たちを月へと、そしてその先の宇宙へと送り出してくれる。

 戦争と動揺は、浪費に満ちた停滞をもたらす。現代は小さな、しかし深刻な対立が世界中に広がっている時代だ。それは、誰をも幸せにするものではない。いまを生きる誰をも。そして、未来を生きる誰をも。それは、私たちを地球へと縛りつける。私たちはもっと手と手を取り合うべきだ。

 戦争も、たしかに科学技術を発展させる。しかしそこで研究されるのは、敵に勝つための科学技術だ。そのような、直接何の役に立つのかが分かっている技術を追い求めても、せいぜい当初の目的を達成するのが関の山だ。

 ところが、平和な時代に行われる、直接何の役に立つのかが分からないような研究は、想像を超えた世界を切り拓く。こうした研究は、人々が日々のパンや平穏に事欠くような時代には盛り上がらない。

 「戦争中にこそ科学技術が発展するのだ」という人もいる。たしかに、電子レンジの技術は第二次世界大戦中に生まれたというし、人類が月に降り立ったのは冷戦中だった。しかし、そうした発展がもたらされたのは、その時代がある意味で「平和」だったからだろう。

 第二次世界大戦中、各国は国内の団結を固めた。悲惨な総力戦のために、国内の「小さな」対立は圧殺された。冷戦中、東西両陣営はそれぞれアジア・アフリカ地域の国にまで出向き、代理戦争の先兵を務めてくれそうな政権を自陣営に組み込んでいった。冷戦中、世界は決して「ひとつ」にはならなかったが、「ふたつ」くらいにはまとまることができた。この団結や結束こそが、奇妙な「平和」をもたらし、科学技術を発展させたのだろう。しかし、それもせいぜい、私たちに月から岩石を持ち帰らせただけだった。

 現代はどうだろうか。私には、冷戦中よりももっと悪い時代が来ているような気がしてならない。冷戦の崩壊後、世界は地域紛争の時代へと突入した。強権的な指導者やイデオロギーを失い、各地で民族対立や宗教対立、人種間の対立が噴出した。先進国のなかでも、格差が拡大し、「階級」間の対立が再燃しているように思える。世代間での対立も大きい。

 このような時代に基礎科学を発展させることは難しい。セレーネ2計画も「お金がかかりすぎる」という理由で中止になった。そこで節約されたお金が回る先は、きっと、小さな対立への対策に違いない。あるいは、直接何の役に立つのかがわかっている研究に違いない。

 基礎科学は未来の可能性だ。その可能性を、人々は、お互いにいがみ合いながら潰してしまっているのではないか。「現状が幸せだから、わざわざ未来への投資などしたくない」というのならまだ分かる。ところが、私たちは、不幸せに暮らしつつ、それを紛らわすために未来の可能性を食い潰しているようだ。

 月面基地ができれば、そこで多くの資源やエネルギーを産出できる。月よりもさらに遠い星へ行くための大型ロケットを作ることもできる。あるいは、基礎科学がさらに進めば、医療や生命科学の分野でも革新的な応用技術のベースが見つかるかもしれない。そうした未来の可能性を、私たちは、食い潰してしまってはいないだろうか。

 いま月へと飛び出さなければ、私たちは永遠に地球から旅立つことができないかもしれない。利用しやすい地表近くの鉱物資源や化石燃料は、みるみるうちに減っていく。地球の周りのデブリの増加は、ロケットの打ち上げをどんどん難しくしていく。私たちは、お互いに争い合っている場合ではない。

 もし地球に宇宙人がやってきたら、彼らはとても平和的な生命体に違いないという。なぜなら、彼らは、はるか宇宙を旅するだけの科学技術を発達させながらも、その科学技術によって自らを滅亡させなかったからだ。しかし、現在、どうも宇宙人は地球に来ていないようだ。宇宙の歴史は無限に長いはずだし、宇宙の広さは無限に広いはずだ。それにもかかわらず、宇宙人が地球に来ていないということは、それだけ宇宙旅行が難しいということなのだろう。つまり、宇宙旅行を実現するための平和で安定した社会を実現するのが難しいということなのだろう。

 もしかすると、その意味で、宇宙人はまだいないのかもしれない。もしそうならば、無限に続く宇宙の歴史のなかで、人類こそが「宇宙人」になる最初の知的生命体となることを願わずにはいられない。


参考

話題ネタ!会話をつなぐ話のネタ,「月はぼくらの宇宙港』読書感想文あらすじ・オススメ度・書き方」, http://xn--5ck1a9848cnul.com/8987 ,2017年5月25日閲覧.


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