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『転んでも、大丈夫:ぼくが義足を作る理由』読書感想文例

臼井二美男『転んでも、大丈夫:ぼくが義足を作る理由』読書感想文例です。

分量は、題名・学校名・氏名を除き、400字詰め原稿用紙で3枚ぴったりです。

転んでも、大丈夫:ぼくが義足を作る理由

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『転んでも、大丈夫:ぼくが義足を作る理由』を読んで

神奈川 太郎

 『転んでも、大丈夫』は、「ポプラ社ノンフィクション」シリーズから出ている本です。テーマは「生きかた」です。ぼくはこれを読み終わったとき、臼井さんのような「生きかた」はできないと思いました。
 
 臼井さんは義肢装具士です。病気やケガなどで足をなくしてしまった方々のために義足を作っています。臼井さんは特に、スポーツ用の義足をたくさん作っています。二〇〇〇年のシドニー・パラリンピックからは、日本代表選手のメカニックとしても活躍しています。
 
 「日本代表選手のメカニック」というと、まるでその仕事だけをしているようですが、全然そんなことはありません。臼井さんは言います。
 
 「ぼくには生活用の義足を作る”本業”があります。……日中はいつもどおり生活用の義足づくりをし、夜の時間を〔パラリンピック選手の〕鈴木くんの義足づくりにあてました」
 
 「作業は十時や十一時におよぶことも、しょっちゅうでした。時間が足りないときは、休みの日も使いました。このときのぼくには、休み時間がありませんでした」
 
 そんな生活をしていれば、つかれがたまってしまうのは当たり前です。臼井さんはある日、駅のホームで倒れてしまいます。ところが、
 
 「それでも、仕事は休めませんでした」
 
 臼井さんは、人に迷惑をかけてはいけないと、たおれたつぎの日も、いつもどおり会社へ行き、朝から夕方まで生活用の義足を作り、夜にはまた、鈴木さんの義足を作ったのです。
 
 臼井さんの気持ちは、とてもすばらしいものです。ぼくは臼井さんを尊敬します。しかし、ぼく自身は、臼井さんのような「生きかた」をしたいとは思いません。
 
 臼井さんが毎日、朝から夜まで義足を作っている間、臼井さんの奥さんはどんなことを考えていたのでしょうか。もし臼井さんに子どもがいたら、その子はお父さんがいないことを寂しく思わなかったでしょうか。もし臼井さんのお父さん、お母さんがこれを知ったら、つかれでたおれたつぎの日にもずっと義足を作り続ける臼井さんを心配しなかったでしょうか。
 
 義足作りは大切なことです。人の役にも立ちます。スポーツ用の義足作りは、臼井さんにしかできないことだったかもしれません。それでも、もしぼくだったら――と考えずにはいられませんでした。
 
 「生きかた」が書かれたこの本は、そうした「生きかた」をぼくたちに勧めているのでしょうか。臼井さんの「生きかた」は、臼井さんがそれを楽しいと思い、それを生きがいとしていたからこそ成り立っていたものですが、そういう「生きかた」は、本当にぼくたちみんなを幸せにするものなのなのでしょうか。


参考

話題ネタ!会話をつなぐ話のネタ,「【転んでも大丈夫】読書感想文あらすじ(ねたばれ)例文」, http://xn--5ck1a9848cnul.com/8946 ,2017年5月8日閲覧.