平成28年度神奈川県公立高校入試問題「社会」における得点の期待値は「11.42点」です。
まったく知識のない受験生が鉛筆を転がして(=あてずっぽうで)選択問題の番号を埋めた場合に取れるだろう得点を計算しました。
選択問題だけに着目し、それぞれの問題の配点に「当たる確率」(4択問題であれば、「4分の1」)を掛け合わせた値を合算しています。
目次
神奈川県公立高校入試2016 社会
4択問題
4択問題(上図中の青い部分)は全部で18問ありました。配点はすべて2点です。
ここから、4択問題での得点の期待値は「9点」となります( (2×1/4)x18=9 )。
6択問題
6択問題(上図中の赤い部分)は全部で3問ありました。1問が4点の配点、残りの2問がそれぞれ2点の配点です。
ここから、6択問題での得点の期待値は「3分の4点」となります( (4×1/6)+(2×1/6)x2=4/3 )。
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その他
その他の選択問題(上図中の緑色の部分)です。
- 問1の(イ)の配点は2点です。解答パターンは全部で 4x3x2x1=24 通りありますので、「当たる確率」は「24分の1」となります。得点の期待値は「12分の1点」です。
- 問1の(ウ)の配点は2点です。解答パターンは全部で 5x4x3=60 通りありますので、「当たる確率」は「60分の1」となります。得点の期待値は「30分の1点」です。
- 問2の(オ)の(ⅱ)の配点は2点です。解答パターンは全部で10通りありますので、「当たる確率」は「10分の1」となります。得点の期待値は「5分の1点」です。
- 問3の(イ)の配点は4点です。解答パターンは全部で 4x3x2x1=24 通りありますので、「当たる確率」は「24分の1」となります。得点の期待値は「6分の1点」です。
- 問3の(カ)の配点は2点です。解答パターンは全部で 4×3=12 通りありますので、「当たる確率」は「12分の1」となります。得点の期待値は「6分の1点」です。
- 問4の(イ)の(ⅰ)の配点は2点です。解答パターンは全部で 5x4x3=60 通りありますので、「当たる確率」は「60分の1」となります。得点の期待値は「30分の1点」です。
- 問4の(ウ)の配点は2点です。解答パターンは全部で10通りありますので、「当たる確率」は「10分の1」となります。得点の期待値は「5分の1点」です。
- 問4の(オ)の配点は2点です。解答パターンは全部で 5x4x3=60 通りありますので、「当たる確率」は「60分の1」となります。得点の期待値は「30分の1点」です。
- 問5の(エ)の配点は2点です。解答パターンは全部で 4×3=12 通りありますので、「当たる確率」は「12分の1」となります。得点の期待値は「6分の1点」です。
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合計
以上をすべて足し合わせて、小数第3位を四捨五入すると、
9+3/4+1/12+1/30+1/5+1/6+1/6+1/30+1/5+1/30+1/6=11+5/12=11.42
となります。
ここから分かること
神奈川全県模試による追跡調査によれば、平成28年度神奈川県公立高校入試において最も合格者最低点が低かったのは、永谷高校の86点でした。
※ 永谷高校の、Wもぎの合格可能性80%ライン(2016年度4月時点)は、S1値で591、内申で75、偏差値で39です。
500点満点に対する86点というのは、得点率にしてちょうど17.2%です。
まったく知識のない状態で社会(100点満点)の入試を受けて取れる得点が11.42点ですから、永谷高校に合格するためには(あくまで社会だけで見た場合ですが)5.78点分の勉強をすればよかったのだということが分かります。
まとめ
神奈川県の公立高校入試において、特に上位・中堅校を狙うわけではない場合、「解答用紙に空欄を作らない」ことがとても大切です。
とりわけ、番号で答える問題(選択問題)では、たとえ問題文の内容がまったく分からなくても、答えが浮かばなくても、とにかく適当な答えを書いておくことで合格の可能性を高めることができます。
参考
神奈川県教育委員会,「共通選抜における学力検査問題」, http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f160600/p885592.html ,2016年7月25日閲覧.