2016年度「第62回 青少年読書感想文全国コンクール」の課題図書、『みずたまのたび』の読書感想文例です。
分量は、題名・学校名・氏名を除き、400字詰め原稿用紙で2枚をわずかに超える程度です。
みずたまのたび
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『みずたまのたび』を読んで
神奈川 太郎
『みずたまのたび』は、ボウルのそこにひとつぶのこったみずたまが、いろいろなところをたびするお話です。
この本を書いたアンヌ・クロザさんは、科学の本を書く作家さんです。だから、『みずたまのたび』も科学の本なのでしょう。本当にみずたまがたびするようすを、ぼくたちに分かりやすくせつめいしてくれているのだと思います。
しかし、そうだとすると、いくつかのよく分からないところが出てきます。
たとえば、みずたまは、土の中のものすごくふかいところまでたんけんしたあとで、いずみにとびだします。しかし、いずみは土の下にあるわけではありません。上にあります。これはおかしいと思いませんか。
また、みずたまは、海のそこのともだちにあいさつしてから、すいめんに上がります。およげないはずのみずたまは、どうやって海のそこから上がってきたのでしょうか。
そして何より分からなかったのが、はじめにみずたまが雲といっしょになるところです。
ボウルのそこにのこったみずたまは、おひさまのおかげでちいさなつぶになるのだと書かれています。そうしてちいさなつぶになると、「あつい おちゃから ゆげが たつように」空にまいあがるのだそうです。しかし、ぼくは、あついおちゃからたつゆげが、ずっときえないで空へと上っていくようすを見たことがありません。
また、そのちいさなつぶは、雲のなかでまたみずたまにもどるそうです。ふつう、空の上のみずたまは、雨としてポツポツとふってくるものではないでしょうか。水でっぽうを上にうてば、ぜったいに水は下におちてきます。それなのに、本の中でみずたまは、雲といっしょにとおいところまで風にはこばれていきます。
この本はぼくに、みずたまについてのたくさんのしゅくだいを出してくれたように思います。