4月17日、中学受験生を対象とした首都圏模試、小6統一合判が行われました。
ここではその中から、「社会」の感想を大問ごとに書きとめていきます。
目次
1.林水産業に関する問題
出題分野
林水産業に関する諸事項が、概ねまんべんなく問われている印象です。
ただ、「養殖物の主な産地」(例:まだいが多く養殖されているのは愛媛県)が今回問われませんでしたので、今後地方別の大問で出題があるかもしれません。
難度
問11がやや難しかったと思われます。
薩摩半島にある漁港の名前を
- ア 松浦
- イ 長崎
- ウ 枕崎
- エ 勝浦
の4つから選ばせる問題です。正答は「ウ 枕崎」なのですが、銚子や焼津、釧路などに比べると、覚えている子が少ない印象です。
選択肢を見ても、「松浦」(長崎県の漁港)と「勝浦」(千葉県の漁港)という、2つの「○浦」があることから、そのうちのどちらかが正解だと思えてしまいます。
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2.日本の地理に関する問題
横手の雪まつり
問2(2)の正答率が大きく落ち込むものと思われます。
「〔秋田県の〕盆地にある都市で行われるまつり」を4枚の写真から選ばせる問題です。写真の内容は以下の通りです。
- ア 横手の雪まつり
- イ 青森のねぶたまつり
- ウ 秋田の竿灯まつり
- エ 山形の花笠まつり
多くの受験生が「秋田県のまつり」ということで、「ウ 秋田の竿灯まつり」を選んだことと思います。
正解は「横手の雪まつり」だったのですが、あまり授業で扱われることもないでしょうし、難しかったのではないでしょうか。
正答にたどり着けた受験生も、秋田市が盆地にある都市ではないこと、問題の地図に示された範囲が秋田市の位置とは異なることなどから、消去法で「ア 横手の雪まつり」を選んだものと思われます。
今後の出題予測
小6向けの首都圏模試は、年に6回行われます。出題者は、その6回の中で、出題分野が重複しないように配慮しています。
4月の第1回で「林水産業に関する問題」と「日本の地理〔日本の国土〕に関する問題」が出題されたということは、今後5回の試験では「林水産業」・「日本の国土」が出題されない、あるいはされづらいだろうということを意味します。
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3.鎌倉~室町時代の歴史に関する問題
論述問題は簡単だったか
問3「元の兵士と日本の武士の戦い方の違い」を答えさせる論述問題は、この種の問題としては簡単なものだったと思います。地理で出されたもうひとつの論述問題「瀬戸内で雨が少ない理由」も簡単でした。
文永の役・弘安の役
首都圏模試の受験者層を考えると、問5で間違えてしまった子が多いように思われます。
問5は、元の2度目の侵攻の名前を答えさせる問題でした。
「元寇」までは覚えていても、文永の役・弘安の役まで、その順序を含めて覚えていた受験生は、若干少なくなるのではないでしょうか。
4.安土桃山時代の歴史に関する問題
問3が難しかったです。
南蛮貿易の主な輸出品と、その主な貿易港を、それぞれ4つの選択肢から選ばせる問題でした。
輸出品では、近代日本の主な輸出品である「ウ 生糸」を選んでしまった子が多かったことでしょう(正解は「ア 銀」(石見銀山などで産出))。
貿易港では、「イ 難波」と「ウ 平戸」で迷ったものと思います。