平成24年度 神奈川県立横浜桜陽高校1年生 前期中間試験では、芥川龍之介「羅生門」から以下のような問題が出題されました。
芥川龍之介「羅生門」定期試験問題
問一
二重傍線部A~Eのカタカナを漢字に直し、漢字は読みを書きなさい。(5×1=5点)
- A 実はこの(スイビ)の小さな余波にほかならない。
- B 築土
- C 手段を選ばないということを(コウテイ)しながらも
- D 松の木切れを、床板の間に(サ)して
- E (ゴヘイ)があるかもしれない。
問二
傍線部①⑤の語句の意味を書きなさい。(2×2=4点)
- ① 途方に暮れていた
- ⑤ 暫時
問三
傍線部②に「申の刻下がり」とあるが、「申の刻」とは何時ぐらいのことか書きなさい。(2点)
問四
傍線部③の描写が表現しようとしているのは何か書きなさい。(2点)
※③ 雨は、羅生門を包んで、遠くから、ざあっという音を集めてくる。夕やみはしだいに空を低くして、見上げると、門の屋根が、斜めに突き出した甍の先に、重たく薄暗い雲を支えている。
問五
傍線部④の「この局所」とは何のことか書きなさい。(2点)
問六
傍線部⑥の「旧記」とはどの作品のことか作品名を漢字で書きなさい。(2点)
問七
【 】A・Bに入る適当な語句をそれぞれ漢字2字で書きなさい(2×1=2点)
※ その髪の毛が、一本ずつ抜けるのに従って、下人の心からは、【 A 】が少しずつ消えていった。そうして、それと同時に、この老婆に対する激しい【 B 】が、少しずつ動いてきた。
問八
傍線部⑦について、下人が、合理的に判断できないのに、老婆の行為を「許すべからざる悪」と断定したのはなぜか説明しなさい。(2点)
※⑦ それだけですでに許すべからざる悪であった。
問九
この作品の作者名を漢字で書きなさい。また、作者が参加した勉強会はだれが主催したなんという会か漢字で書きなさい(3×1=3点)
答え(学校発表)
問一
- A 衰微
- B ついじ
- C 肯定
- D 挿(して)
- E 語弊
問二
- ① することもなく、どうすることもできない状態
- ⑤ しばらく
問三
十四時ぐらい
問四
下人の不安や、将来起こることがあまり良くないということ。
問五
手段を選ばないとすれば、盗人になるよりほかに仕方がないという考え。
問六
今昔物語集
問七
- A 恐怖
- B 憎悪
問八
この雨の夜に、この羅生門の上で、死人の髪の毛を抜くことだけで許せないという主観的・感情的な判断
問九
- 作者名 芥川龍之介
- 主催 夏目漱石
- 会名 木曜会