神奈川県・横浜市・川崎市・相模原市の各中学3年生の「生徒の英語力の状況」2021 年度版です。文部科学省が実施した
に基づきます。
※国の「第3期教育振興基本計画」における「取得&見なし」の目標値は 50% 。「取得」率が低い場合に「見なし」を多くする動機付けが働くおそれがあります。
※横浜市の受検率が高い大きな要因のひとつに「受検料の公費負担」があります。
目次
公立中学校3年生 英検3級取得状況等 2021
行政区分 | 中3生 | 受検者 | 取得者 | 見なし | 取得&見なし |
---|---|---|---|---|---|
神奈川県(人) | 25,631 | 7,758 | 5,289 | 5,024 | 10,313 |
神奈川県(%) | 100.0% | 30.3% | 20.6% | 19.6% | 40.2% |
横浜市(人) | 25,894 | 23,899 | 11,728 | 2,483 | 14,211 |
横浜市(%) | 100.0% | 92.3% | 45.3% | 9.6% | 54.9% |
川崎市(人) | 9,828 | 4,046 | 2,843 | 2,248 | 5,091 |
川崎市(%) | 100.0% | 41.2% | 28.9% | 22.9% | 51.8% |
相模原市(人) | 5,565 | 1,669 | 1,003 | 868 | 1,871 |
相模原市(%) | 100.0% | 30.0% | 18.0% | 15.6% | 33.6% |
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注
神奈川県の数字には3政令市は含まれないものと思われます。
「受検者」が
- 「CEFR A1 レベル相当以上」の外部試験受検者なのか
- すべてのレベルの外部試験受検者なのか
は読み取れませんでした。
文科省の調査手法には問題点が指摘されています(※)。
表の見方
各列の原資料での表記は以下の通りです。
- 「中3生」=第3学年に所属している生徒数 (a)
- 「受検者」=英語能力に関する外部試験を受験したことがある生徒数 (b)
- 「取得者」=CEFR A1 レベル相当以上を取得している生徒数 (c)
- 「見なし」=CEFR A1 レベル相当以上の英語力を有すると思われる生徒数 (d)
- 「取得&見なし」=CEFR A1 レベル相当以上の英語力を有すると思われる生徒数 (c+d)
横浜市の中学生は公費で英検受検
横浜市教育委員会では〔中略〕令和3年度についても、中学校第3学年及び義務教育学校第9学年の生徒、特別支援学校の希望する第3学年の生徒が、公益財団法人日本英語検定協会の「第2回実用英語技能検定」(英検)を受験しますので、御承知おきください(検定料は横浜市負担)。
※引用文中の強調はカナガクによります。
参考文献
文部科学省
- 文部科学省,「令和3年度「英語教育実施状況調査」の結果について」,https://www.mext.go.jp/a_menu/kokusai/gaikokugo/1415043_00001.htm,2022 年9月7日閲覧.
https://megalodon.jp/2022-0907-0838-31/https://www.mext.go.jp:443/a_menu/kokusai/gaikokugo/1415043_00001.htm - 文部科学省,「令和3年度「英語教育実施状況調査」の結果について」「都道府県別一覧表」「中学校」,https://www.mext.go.jp/content/20220513-mxt_kyoiku01-000022559_6.pdf,2022 年9月7日閲覧.
https://megalodon.jp/2022-0907-0838-16/https://www.mext.go.jp:443/content/20220513-mxt_kyoiku01-000022559_6.pdf - 文部科学省,「令和3年度「英語教育実施状況調査」概要」,https://www.mext.go.jp/content/20220516-mxt_kyoiku01-000022559_2.pdf,2022 年9月7日閲覧.
https://megalodon.jp/2022-0907-0839-38/https://www.mext.go.jp:443/content/20220516-mxt_kyoiku01-000022559_2.pdf
横浜市
横浜市教育委員会〔事務局〕学校教育企画部教育課程推進室,令和3年1月8日,「令和3年度 実用英語技能検定受験について」,https://www.edu.city.yokohama.lg.jp/school/jhs/kamoshida/index.cfm/1,2354,c,html/2354/20210113-103217.pdf,2022 年9月7日閲覧.
- https://web.archive.org/web/20220907002203/https://www.edu.city.yokohama.lg.jp/school/jhs/kamoshida/index.cfm/1,2354,c,html/2354/20210113-103217.pdf
- https://archive.ph/1lfF7
Twitter 文科省調査への批判
数日前にアップしたこちらの記事ですが、予想に反して反響がまったくなかったため(PV的にも実質的にも)、地味なタイトルを少しだけ修正しました。/「英語力日本一は○○県!」と安易に報じる前に考えてほしい――文科省「英語教育実施状況調査」の問題点(寺沢拓敬) https://t.co/Yq5eSlRLj3
— 寺沢 拓敬 (@tera_sawa) June 6, 2022
文科省の英語教育実施状況調査は、(個人レベルではなく)都道府県レベルの統計とはいえ、相関係数0.92(外れ値除去後)という驚異の相関を叩き出しています。本当に綺麗な散布図だからみんなに見てほしい。/文科省「英語教育実施状況調査」の数値は信頼できないhttps://t.co/YeEfh2q5bc
— 寺沢 拓敬 (@tera_sawa) January 6, 2022