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教科書などの英文を丸暗記させるコミュ英語の試験は適切か

関東学院高校は 2014 年 12 月9日、高校1年生の2学期期末試験「コミュニケーション英語Ⅰ」で、12 ページにわたり大量の英文を載せた問題を出題しました。これは英語の試験として適切だったのでしょうか。

2009 年の『学習指導要領解説 外国語編 英語編』によれば、コミュニケーション英語Ⅰの目標は以下のように成り立っています。

「コミュニケーション英語Ⅰ」の目標は,次の二つの要素から成り立っている。

  • ① 英語を通じて,積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育成すること。
  • ② 英語を通じて,情報や考えなどを的確に理解したり適切に伝えたりする基礎的な能力を養うこと。

①は,「外国語科の目標」に準ずる。
②は,聞いたり読んだりして得た情報や考えなどを的確に理解したり,自分が伝えたい情報や考えなどを受け手に対して適切に伝えたりする基礎的な能力を養うことを意味する。

関東学院高校が出題した 2014 年の問題は、50 分間という試験時間の制約を考えると、こうした目標を達成しているか測る問題として不適切だったように思われます。

また、理想論として「指導と評価の一体化」を考えるとき、このテストによる「評価」では「教師による指導の改善」や、学校全体としての「教育活動の質の向上」が十分に行えないようにも感じます。

さらに、この試験は、

※問題は1~ 12 まであります。

※時間がある人は、13、14 の応用問題に取り組んで下さい。(できなくても減点にはなりませんが、できたら加点します。)

という変則的な採点が行われるものでした。(海外経験があったりしない限り)事前に指導された英文を丸暗記した生徒だけが 12 までの問題を素早く解くことができ、高得点をおさめられ、減点のおそれのない 13、14 の問題にも取り組めるというのは、試験として歪んでいるように感じます。

キリスト教系の名門中高一貫校(小学校募集や高校募集も行っています)としては、やや安直な出題だったのではないでしょうか。


実際の出題