教育ジャーナリストのおおたとしまささん(@toshimasaota)は『週刊東洋経済』2019 年7月 27 日号 60 ページから 61 ページに
志望校はどうやって決めればいいか
「偏差値」にだまされない
子どもに合った学校の選び方
学校側は偏差値が高くなるように入試を工夫する。操作された数字に気をつけたい。
と題した記事を寄せました。記事では「『偏差値』は操作できる」として、学校が偏差値を意図的に上げる方法を解説しています。
※ ここで「『偏差値』とカギカッコ付きで記載する場合、それは受験生の成績を表す純粋な偏差値ではなく、偏差値表上に記載される入試の難易度を意味する」ものとします。
目次
「『偏差値』は操作できる」
例えば4回ある入試回のうち、1回を「特進コース」などと定めて合格者を絞り込むと、そこだけ入試難易度がグッと上がる。
〔中略〕
ある入試回において、合格レベルを意図的に高く設定し、ごく一部の高い偏差値層の受験生だけに合格を出す。
〔中略〕
すると、意図的に難易度を高く設定した入試回の「偏差値」は跳ね上がる。多くのメディアは複数ある入試回のうち「偏差値」の最高値のみに注目するので、「この学校は『偏差値』が上がった」と認識される。ラーメン店の、行列が行列を呼ぶのと同じ理屈で、数年後にはほかの入試回の「偏差値」も上がる。
「偏差値」を見比べるのなら
おおたさんは以上のように書いたうえで、
「偏差値」表を見るときには
- 複数回入試のうち、いちばん低い「偏差値」を見る
- 複数回入試のうち、募集定員がいちばん多い「偏差値」を見る
ことをおすすめしています。
【参考】難関校と競合しない日程で
見せかけの偏差値を上げるだけなら
「競合しない日程で、合格者人数を絞る」
これだけでいけます。
極端な例を挙げると、100人受験者がいてTOPの1人(持ち偏差値70)だけ合格者を出せば、偏差値70の学校の誕生です。その生徒は入学しませんけど。 https://t.co/xfoyQ7ToJv
— カッシー@進学教室アントレ (@kassy_ant) November 6, 2018
「2月1日入試実施校:男子御三家の開成中(願書受付開始1/10、願書締切1/22、合格発表2/3、入学手続き締切2/4)」
また、入試日が違うのに偏差値を並べてる〜。
【中学受験2019】東京都私立中学の最新入試日程・定員・偏差値まとめ(男子版)(リセマム)https://t.co/kC5Sv9iNCd @YahooNewsTopics
— ラーメン富士丸神谷本店開成会 (@fujimarist_jp) November 29, 2018
高校受験
見かけの偏差値と中身の偏差値が全然違う典型例だぞ
日程的に受けやすいから早慶や公立topの併願が多く高受の見かけの偏差値がぐんぐん上がるのさ— P (@mkny_xxx) January 26, 2017
おおたとしまささん
中学受験における偏差値が複雑怪奇になりすぎて、単純な数字として比較ができなくなっているという意味だ。より端的に言えば、「バブル偏差値」。いくつかの条件が重なると、偏差値が異常値を示すことがあるのだ。https://t.co/b1C8AQzNnT https://t.co/b1C8AQzNnT
— おおたとしまさ (@toshimasaota) November 6, 2018
SAPIX の偏差値……?
この記事に衝撃を受けました。記事終盤の参考情報は参考として編集者が載せたのか、広野先生自身が載せたのかで全く話が変わってきますが、気づいた人いますかね…?
成績が伸びない…と嘆く前に知っておきたい 偏差値のカラクリ(朝日新聞EduA) https://t.co/qO14ojAzcg
— カッシー@進学教室アントレ (@kassy_ant) October 27, 2019
これは、サピックスでは偏差値を算出するときに一般的な標準偏差ではなく、なぜか平均偏差を採用している可能性があるということです。計算法の特性上、平均偏差は標準偏差よりも常に低くなりますので、高偏差値や低偏差値が出やすくなります。統計の専門家ではないので、間違えていたらすいません。 https://t.co/J883L7dhe7
— カッシー@進学教室アントレ (@kassy_ant) October 27, 2019