『二月の勝者―絶対合格の教室―』第 40 講「八月の解答」感想


『ビッグコミックスピリッツ』1月21日発売号に二月の勝者―絶対合格の教室―第 40 講「八月の解答」が掲載されました。

作品は8月に突入です。

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子どもを預ける先としての塾

石田王羅くんのご家庭はシングルマザーです。

幸い、母の持ってたビルでお店を開いていたし資格もあるので

そこまで経済的に困窮しているわけではありません。しかし、けっして裕福ではありません。

幼いので…娯楽とも、お友達ともうまい距離で付き合えない…
(中略)
おばあちゃんも歳だし他の預け先もなかなかないし、
(中略)
結局、進学塾が一番拘束時間が長いのでお任せすることに…

という経緯で桜花ゼミナールに通っていまし(もっとも、桂先生のセリフからは、もしかするとノビール(個別指導)と桜花との「掛け持ち」となる可能性が読み取れます)。

ワーキングマザーが子どもを預ける先として塾を選ぶという話はたまに耳にします。

塾では同年代の比較的落ち着いた子たちが集まっています。さまざまな先生方が構ってくれます。王羅くんにとって桜花ゼミナールは「自分の居場所」だったようです。


進学塾としては致命的ではないのか

仕事のあいだ子どもを塾に預けていたら成績がメキメキ伸びて――という話も聞いたことはあります。しかし、やはり進学塾は学童保育ではありません。

シビアに成績を求め、さまざまな心の葛藤に悩みながら上を目指し続ける受験生が集まるのが進学塾です(勉強が楽しいという子も、もちろん多くいます)。その張り詰めた空間に意識が低い子がいることは、端的に言って迷惑です。

ではそういう子をどこが拾うのかといえば、町塾や補習塾、また、明光義塾や東京個別指導学院などの個別指導塾でしょう。

塾には塾ごとのカラーがあります。そのカラーに合わせて通塾先を提案した黒木には大いに共感できました。

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「餞別」は語彙として難しすぎる

首都圏模試ですら偏差値が低迷している武田くんが、

〔王羅から〕「かんべつに」って言って〔鉛筆をもらったんだよ〕、
それって「餞別」の間違いだよな、まじウケる!

と言っていますが、彼らの偏差値的に、あまりなさそうな会話です。


「向いてない子が受験する必要はありますか?」への答え

黒木は佐倉に言います。

「中学受験をしよう」と決めたご家庭にはいろんな事情がある。
その生徒がいかに幼く勉強に向いていないからといって…
「塾に通わない」理由にはならない。

私も「やる気も能力もない子は退塾させた方がいい」「この成績だと2科に絞った方が」などと、日々さまざまなことを思います。しかし、そういった自分には厳しい目を向け、常に「親御さんファースト」の姿勢を保ち続けたいと思います。


最初から個別塾に回すつもりで

灰谷は黒木の今回の対応について、

最初から個別塾に回すつもりであえて解決させなかっただけなんじゃないですか?

と言い放ちます。まるで灰谷から黒木へのアンビバレントな気もちが読み取れるようです(きっと灰谷は黒木のことが好きなのでしょう。そして、だからこそフェニックスを去った黒木に辛辣な言葉を投げてしまうのでしょう)。

「最初から個別塾に回すつもり」だったとしても、それはそれでよいと思います。

王羅くん以外の真剣に受験勉強に取り組んでいる子たちにとっても、王羅くん自身にとっても、「個別塾に回す」という黒木の対応はベストのものだったでしょう。


お祭りのポスターの日付

背景のお祭りのポスターが、

7月 21 日(木)・22 日(金)

となっているようです。作中世界は 2016 年なのかもしれません。

それにしても、今回からサブタイトルが「八月の解答」となっていますが、ポスターは「7月」でよいのでしょうか。


高瀬志帆先生 Twitter


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