神奈川県教育委員会は、公立高校入試における科目別平均点を、過去10年分にわたって公開しています。
新制度入試の開始後5年分のデータから、今年行われる平成30年度入試の科目別平均点変動(難化/易化)を予想すると
国語と数学は難化、理科は易化
すると思われます。
目次
過去5年平均点推移
国語は難化
上のグラフは、過去5年間の科目別平均点推移です。まず目を引くのが、黄色いライン。これは国語の平均点を示します。
5本のラインのなかで、5年間ずっと、いちばん高い位置を占めています。これは、国語の平均点が高止まりしていることを示します。
平成29年度入試では、マークシート導入の影響からか、平均点がさらに上がりました。
これに対してはさすがに対策がなされるはずです。平成29年度入試に比べたとき、まず間違いなく「国語は難化」するでしょう。
昨年2月のツイート
漢字の書きをマークにしたのはなんでだろう。答案用紙を返却するので、止めやはねといった微妙な採点を避けたのだろうか。やっぱり漢字は書かせて欲しい。
— miyajuku塾長 (@miyajuku) 2017年2月15日
上位校では、最低で10点、最大で20点ほどボーダーが上がってしまうのではないでしょうか。それほど国語は易しかったと思います。
— miyajuku塾長 (@miyajuku) 2017年2月15日
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数学は難化
次に青いラインです。これは数学の平均点を示します。
青いラインも、マークシート導入の影響からか、平成29年度入試で平均点が一気に上がりました。
もっとも平均点が低かった理科(緑色のライン)と比べると、とりわけその高さが目立ちます。
こちらも、「数学は難化」と予想してよいのではないでしょうか。
昨年2月のツイート
それにしても、やっぱりマークになった影響は大です。数学の空間図形で、(ア)と(イ)を間違っても、(ウ)があっている、なんてことが起こっています。数字を書かせればゼッタイにないことです。
— miyajuku塾長 (@miyajuku) 2017年2月15日
理科は易化
国語・数学と対照的に、易化が予想されるのが理科(緑色のライン)です。
平成26年度入試と平成27年度入試の2回にわたり、驚くような平均点の低さを記録した理科ですが、その平均点がまだ他教科ほど高くありません。
平成30年度入試ではこれをどうにかするために「理科は易化」の傾向になると考えられます。
昨年2月のツイート
国語が易しすぎて、理科との平均点の差はきっと二十数点になるでしょう。そうなると、理科が得意な生徒は圧倒的に不利です。だって、理科では高得点がとれなくて、理科が不得意な生徒と差がつかないのですから。ここまで開くのであれば、何らかの得点調整をしないとダメなんじゃないでしょうか。
— miyajuku塾長 (@miyajuku) 2017年2月15日
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参考
- 神奈川県公立高校入試2017 難化易化傾向を湘南ゼミナールが講評
- 慧真館,「2017年度入試の自己採点結果と教科ごとの大雑把な感想」, http://keishinkan.jp/post-5749/trackback ,2017年2月16日(2018年2月9日閲覧).
慧真館,「『神奈川県の理科は難しいから捨てても良い』が正しいかどうかを考える。」, http://keishinkan.jp/post-6898/trackback ,2017年12月25日(2018年2月9日閲覧).
Source
神奈川県教育委員会,「神奈川県公立高等学校入学者選抜学力検査の結果」, http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f70169/ ,2018年2月9日閲覧.
- 平成29年度 神奈川県公立高校入試 平均点 公式発表
- 平成28年度 神奈川県公立高校入試 平均点 公式発表
- 2015(平成27)年度 神奈川県公立高校入試 平均点 公式発表
- 2014(平成26)年度 神奈川県公立高校入試 平均点
学力検査の生徒の反応を総合すると・・・
英語→易化、数学→変化なし、国語→易化、理科→易化、社会→変化なし全体的には簡単になったとの印象。特にトップ層は点数が高くなりそう。逆に中堅層にとっては、英語も理科もそんなに易しくはないということで、変化がないかも。
— りんごくん@慧真館 (@keishinkan) 2017年2月15日
英語→昨年度並み 数学→やや易しく 国語→激易しく 理科→ほんのちょっと易しく 社会→昨年度並み といったところかと思います。といっても、上位校と中位校では意味が変わってきます。問題は上位校。どこまで合格ボーダーが上がってしまうか。ちょっと予測が立ちません。
— miyajuku塾長 (@miyajuku) 2017年2月15日