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『マッチ箱日記』(ポール・フライシュマン) 読書感想文例

「第60回 青少年読書感想文全国コンクール」小学校高学年の部の課題図書になっている『マッチ箱日記』読書感想文例文です。

この文例では以下の3パートを繰り返す書き方で感想文を書いています。

  1. 本の引用
  2. 似た話
  3. 思ったこと

全体で1700字程度になっていますので、学校に提出する際にはこれよりも短く書くことになるでしょう。

『マッチ箱日記』 読書感想文例

イタリアでの生活

ひいじいちゃんは貧しいイタリアの農家に生まれました。お父さんはアメリカに働きに出ています。当時のイタリアの男はみんなそうだったといいます。

ぼくのお父さんは毎日家に帰ってきてくれます。夜遅くなることもあって、ぼくがもう寝てしまっていることもあります。でも、必ずベッドのそばまでぼくの顔を見に来てくれます。すこし恥ずかしいけれど、ぼくはそんなお父さんが大好きです。

もしぼくのお父さんがひいじいちゃんのお父さんのように遠い国まで働きに出ていってしまったら、ぼくはとても悲しいです。

アメリカへ

ある年、雨が降らない年があり、ひいじいちゃんの一家はとても困ったことになりました。そこでアメリカのお父さんに向けて手紙を書いてもらい、みんなでアメリカに渡ることになりました。ばあちゃんだけをイタリアに残し、ひいじいちゃんたちはナポリの港からアメリカに向かいました。

ぼくの家族は毎年夏休みとお正月に、熊本のおばあちゃんの家に泊りに行きます。おばあちゃんはとてもうれしそうにぼくたちを迎えてくれます。ごはんもぜいたくなものをたくさん出してくれます。おこづかいもたくさんくれます。お母さんもおばあちゃんと一緒にいるとニコニコして、いつもよりずいぶんリラックスしているようです。だからぼくたちはみんな「ずっと熊本にいられればいいのになあ」と思います。別れるときのおばあちゃんの寂しそうな顔は、少しかわいそうです。

ひいじいちゃんのばあちゃんはみんながアメリカに行くことになって、ぼくのおばあちゃんよりももっと寂しい気もちになったと思います。なぜ一緒に行かなかったのでしょうか。ずっと住んでいたイタリアの土地が好きだったのでしょうか。それとも辛い旅や新しい国での生活でみんなの足をひっぱるのが嫌だったのでしょうか。

アメリカでの苦労

アメリカに着くと、ひいじいちゃんたちは家族みんなで必死に働きました。仕事を探して何度も引っ越しをしました。やっとアパートに落ち着いたのは、ひいじいちゃんが8歳のころでした。

ぼくのお母さんもこれまでいろいろな仕事をしてきました。引っ越しはしなかったし、見張られながら仕事をするようなこともなかったそうですが、レジを打ったり、食べ物を運んだり、なかなか大変そうでした。いまはずっと家にいますが、日曜日になると新聞を読みながら、「そろそろまた働こうかしら」とつぶやいています。疲れたお母さんの姿は見たくありません。それに、できればぼくが学校から帰ったときには「お帰りなさい」と言ってほしいです。

ひいじいちゃんはお父さんお母さんだけでなく、小さかったひいじいちゃんまで入れて家族7人全員で一生懸命働いていました。そんな辛い生活は、ぼくにはとてもたえられなさそうです。

読み書きができるように

アパートに落ち着いたあと、ひいじいちゃんは読み書きができるようにと学校に通えることになりました。ひいじいちゃんの父さんは反対だったけれど、母さんが説得してくれました。小さい子どもたちに交じって、イタリアなまりをからかわれながら必死に勉強しました。やがてひいじいちゃんは読み書きができるようになり、印刷工になることができました。いまでは本屋と骨董屋をして、孫娘に思い出話を聞かせています。

ぼくは勉強があまり好きではありません。漢字練習帳に同じ字を何回も書いていると手が疲れてきます。でも、お父さんもお母さんも、「将来のために大切だから、しっかり勉強するんだよ」と言います。『マッチ箱日記』のひいじいちゃんは、アメリカで学校に通うまで読み書きができませんでした。でもそこでがんばって勉強して、良い暮らしができるようになりました。アメリカに渡ってきたばかりのひいじいちゃんのように缶詰工場で働くのは、ぼくも嫌です。お父さんお母さんの言う通り、きちんと勉強した方がいいのかもしれません。

ひいじいちゃんはこれまでいろいろな苦労を乗りこえてきました。その思い出が詰まっているのがマッチ箱日記です。この本を読んで、ぼくも少し日記をつけてみたくなりました。まずは学校の宿題の一行日記を、あしたからは毎日忘れずにつけていきたいと思います。


マッチ箱日記 / ポール・フライシュマン 【絵本】

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『マッチ箱日記』は他の課題図書に比べて極めて短く、時間がない時に手早く感想文を書くのにうってつけの一冊です。大人であれば10分とかからず読み切れると思います。