教職員人事異動

「公立中学生の約5割は教科書が理解できない」NIIの予備調査で判明

国立情報学研究所(NII)は、26日に行ったプレスリリースのなかで、

  • 公立中学校6校の生徒計340人のうち約5割が教科書の内容を読み取れておらず
  • 約2割は基礎的・表層的な読解もできていない

とする調査結果を発表しました。

国立情報学研究所

国立情報学研究所(NII)は、「『ロボットは東大に入れるか』プロジェクト」の東ロボくんで有名な研究所です。

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リーディングスキルテスト

内容

調査はリーディングスキルテスト(RST)を通じて行われました。RSTとは、

子どもたちが教科書に書かれているようなシンプルな文書をどれくらい正確に読むことができるかを科学的に診断するテスト

です。

規模

プレスリリースの基となった、平成27年度の調査は、

  • 公立中学校6校(受験者数計340人)、
  • 中高一貫の公立中等教育学校1校(155人)、
  • 昨年度卒業生の三分の一が国公立大学に合格した公立高校1校(584人)

で実施されました。

RSTの実例と結果

実例

プレスリリースに含まれている、RSTの実例をひとつ挙げます。

仏教は東南アジア、東アジアに、キリスト教はヨーロッパ、南北アメリカ、オセアニアに、イスラム教は北アフリカ、西アジア、中央アジア、東南アジアにおもに広がっている。

オセアニアに広がっているのは( )である。

出典:東京書籍㈱ 中学校社会教科書『新しい社会 地理』 36p

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結果

上の実例の正答率は以下の通りでした。

公立中学校中高一貫学校
(中学)
公立高校
A ヒンドゥー教0%0%0%
B キリスト教53%64%81%
C イスラム教12%18%0%
D 仏教35%18%19%

NIIは、こうした結果から、「公立中学校6校の生徒計340人のうち約5割が教科書の内容を読み取れておらず」と結論付けました。

参考

Source

国立情報学研究所,「文章を正確に読む力を科学的に測るテストを開発/産学連携で『読解力』向上を目指す研究を加速」, http://www.nii.ac.jp/news/2016/0726/ ,2016年7月26日(同27日閲覧).