『さかさ町』(F.エマーソン・アンドリュース)読書感想文例 小学校中学年


2016年度「第62回 青少年読書感想文全国コンクール」課題図書、『さかさ町』の読書感想文例です。

分量は、題名・学校名・氏名を除き、400字詰め原稿用紙でほぼ3枚ぴったりです。

さかさ町

さかさ町

さかさ町

  • 作者:F.エマーソン・アンドリュース
  • 出版社:岩波書店
  • 発売日: 2015-12-18

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『さかさ町』を読んで

神奈川 太郎

 さかさ町は、みんなが幸せになれるように作られた町です。しかし、ぼくはきっと、さかさ町には住めないでしょう。

 さかさ町では、いろいろなものがさかさになっています。かん板の文字もさかさだし、家もさかさに建っています。弟や妹たちが好きな、「じゃあ、ぎゃくは?」の空想でできたような町が、さかさ町です。

 しかし、でたらめな空想とはちがって、さかさ町でいろいろなものがさかさになっているのには、それぞれきちんとした理由があります。

 例えば、ぼくたちがかかるお医者さんは、いつもぼくたちを長く待たせます。ぼくたちが予約をして、その時間ぴったりに行っても、です。それに比べてさかさ町では、待つのはぼくたちではなくお医者さんです。病気の人のことを考えて、さかさになっているのです。

 さかさ町では、住んでいる人たちの幸せをいちばんに考えて、いろいろなものをさかさにしています。これに気付いたとき、ぼくは

 「さかさ町ってすごい! ぜひ住みたいなあ」

 と思いました。

 ところが、リッキーとアンがアンストアーに行ったときのことです。

 アンストアーは、大きなショッピングセンターです。リッキーはそこで、一本のバットがほしくなりました。しかしお金がありません。そのときに店員さんはこう言いました。

 「このバットがほしいのなら、お金をはらうひつようはありません。むしろ、わたしたちが、バットといっしょにお金をさしあげるんですから」

 さかさ町の人たちにとっては、「いいものをつくったり、そだてたりすることが、人生において、なによりのよろこび」なのだそうです。だから、自分が作ったものが他の人にいいものだと思われて、買ってもらえると、さかさまにお金をはらうのだそうです。

 ただし、もしそうしたよろこびがどうでもよい、はたらかない人がいたら、

 「社会になにも役だつことをしない人は、おもいばつをうけます」

 と言われています。

 これはずいぶん息苦しい町だと思いました。そして、さかさ町への思いが一気に冷めてしまいました。

 ぼくも、いいものをつくれたときにはうれしいけれど、お金をはらってでもそれをだれかに「売り」たいとは思いません。それに、いつも「社会に役だつ」ことをしなければならないのであれば、ぼくがしたいことと「社会に役だつ」こととがずれていたらどうなるのでしょうか。

 さかさ町は、ふらっとまよいこむくらいがちょうどいい町なのです。


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